ホーム > アーカイブ > 2015年8月のアーカイブ
2015年8月のアーカイブ
内申点のつけ方の基準が変わる!?<その9>
- 2015年8月12日 9:31 AM
- 未分類
いや、もしかすると都教委の幹部の皆さんも、内申点のつけ方が公平でないことくらい百も承知なのかもしれません。特に現場上がりの方は、そんな実態がわかっていないはずがありません。それなのに、立場的にああいう形式的なレポートしか出すことができないのだとしたら、ちょっとお気の毒です。「内申点の評定については、確かに中学校格差や不公平・不透明な部分は存在する。これを少しでも解消していくのが我々の使命である」くらいのことをぶち上げて、実際に解消するための動きを具体的に取って欲しいものです。
なぜこういう部分の「現場介入」が難しいのだろうと考えていて、教育行政の仕組み上の重大な欠陥に思いあたりました。それは、都道府県と市町村の二重行政にあります。大阪の橋下市長が、教育については正にこの点を主張されていました。
都立中高は、都教委の管理・監督がとても行き届いているように感じます。仕事柄、都立中や進学指導重点校の校長先生とお会いしてお話しさせていただくことが多いのですが、日々の業務について(特に大学受験の合格実績創出について)具体的なことをお伺いすると、そんなことまで管理されているのか…と驚くことが結構あります。報告書等の類もそうですし、思うような成果が出ないと、都教委に呼び出されて叱責されるというお話を伺ったこともあります。そのために、普段の学校内の業務のルーチンについても、校長の管理が一定行き届いている様子を感じました。それは、都立中・都立高校は都教委が直接管理しているからです。
しかし、公立の小中学校は少し事情が異なります。教員は東京都に採用されて、異動等の人事権も都教委にありますが、各区市に配属された後、普段は区市教委の管轄下にあります。八王子市立〇〇小学校(中学校)という学校名から分かる通り、学校の設置権者も区市なのです。何か問題があった時も含めて、普段の学校・教員の管理は区市の教委が行っているため、都教委が何か動きを取ろうと思っても、直接学校に指導することができず、区市の教委を通して…ということになってしまっているのです。そのため、高校に較べるとダイナミックな動きが取りにくい(取れない)という話を聞いたことがあります。
公立の小中学校においては、この二重行政の状況が様々な面で足枷となってしまっているのです。少なくとも、「中学校における内申点の評定基準の均一化」という、子供たちにとってとても重要な命題への対応が放置されていることの一因になっていることは間違いないと思います。
(次回に続く…)
内申点のつけ方の基準が変わる!?<その8>
- 2015年8月11日 11:13 AM
- 未分類
都教委は毎年、各中学校の内申評定の結果をすべて集約して分析しています。特に、「特異な評定状況を示す教科のある中学校」について調査をし、学校名を公表し指導しています。この発想はいいのですが、その中身が問題なのです。都教委が調査しているのは、以下に該当する中学校です。
〇全教科にわたり1がない中学校
〇1と2がまったくない教科がある中学校
〇5が50%以上の生徒についている教科がある中学校
〇5と4が80%以上の生徒についている教科がある中学校
〇全教科にわたり5がない中学校
〇5と4がまったくない教科がある中学校
〇1が50%以上の生徒についている教科がある中学校
〇2と1が80%以上の生徒についている教科がある中学校
これらの項目に該当する中学校は、昨年度については都内で1校もなかったという報告です。そりゃそうでしょう。こんな極端な例に当てはまる中学校があったら、その時点で校長が処分されてもおかしくないレベルです。正に「異常以上」のレベルですから… 実際には、前回書いたようなレベルでの極端な中学校間格差(不公平)は存在します。
さらに私が問題だと感じるのは、調査結果の総括で、「特異な評定状況を示す教科のある中学校は0校である」「区市の教委から、すべての中学校において、十分な評価資料を基にした評価を総括した上で評定を行っていると報告を受けている」「このことから、本年度の評価は概ね適正に実施され、客観性・信頼性は確保されていると判断できる」というようなコメントを公表していることです。
都内のすべての中学校の評定の割合は公表されていて、都教委もそれを目にしているはずなのです。それなのに、前述した極端な事例のみ調査して、各区市教委が問題ないと言っているので「内申は公平である」という結論を出しているのですから、アリバイ作りの仕事だと言われても仕方ないでしょう。
(次回に続く…)
内申点のつけ方の基準が変わる!?<その7>
- 2015年8月9日 9:48 AM
- 未分類
全体の平均値で見るとそのような分析になりますが、平均だけ見ていたら分からない大きな問題点もあります。毎年、八王子の中学校別の評定分布の詳細を見ていると、腹が立って仕方ないのです。例えば体育の評定で見ても、ある中学校では5が25.0%、4が27.3%と5と4が半分以上の生徒についています。それに近いバブル状況の中学校が少なくとも10校近くあります。一方で、5が1.8%の生徒にしかついていなかったり、5と4合わせても20%未満にしかならないような中学校も存在します。地域間の能力格差は確かにありますが、これではいくら何でも不公平すぎると言われても仕方ないでしょう。
また、八王子は他の科目も含めて、1がついてる生徒の割合がとても少ないので有名です。科目によっては1が1人もついていなかったり、平均しても1%台の中学校が多く、他の地域に較べるととても少ないのです。これには様々な理由があると思いますが、地域性として特筆すべき点だと感じています。
本来こういう不公平を解消するのは、教委の仕事のはずです。各校の校長には難しいでしょう。どうしても身びいきになってしまうでしょうし、全体を見渡して…という視点はなかなか持てないのです。ところが、都教委が行っている内申点の公平性に関する実態調査とコメントが失笑ものなのです。
(次回に続く…)
内申点のつけ方の基準が変わる!?<その6>
- 2015年8月8日 9:45 AM
- 未分類
GSの生徒たちの中で5を取った生徒が一番少ない科目が体育です。これはこれで何とか改善させたいとは考えていますが、一定仕方ないと感じる部分もあるのです。それは、GSの生徒だけに限らず、八王子市や都内全体で見ても、体育が一番5が取りにくい科目だからです。
毎年、各中学校の科目ごとの5・4・3…の割合はすべて公表されています。(中3の高校に送られる確定内申についてのみですが…) 昨年の中3生を例に取ってみると、都内全体で体育で5がついている生徒は8.9%しかいません。英語の14.6%を筆頭に、社会13.8%、数学13.5%、理科13.0%と続きますが、10%を切っているのは体育だけです。逆に、1がついている生徒も2.4%と9教科の中で一番少ない状況です。(1や2の割合が高いのは数学・英語です) 体育は3の割合が一番高く、52.6%と、半分以上の生徒が3をつけられています。何と、4と3で80%以上になります。体育はほとんどの生徒が4か3をつけられていると言っても過言ではありません。
専門用語を使わせていただくと、体育が一番標準偏差が小さく、英語や数学・社会という科目が標準偏差が大きくなっているということになりますが、体育が一番差をつけにくい科目であることは間違いないでしょう。5を取るためには、余程目立たなくてはならない(先生に気に入られなければいけない)ということになるわけです。
(次回に続く…)
内申点のつけ方の基準が変わる!?<その5>
- 2015年8月6日 10:26 AM
- 未分類
ご想像の通りです。体育が…(>_<) 3学年とも、9教科の中で一番平均点が低くなってしまっています。3.7~3.8くらいです。5をもらえている生徒も他の科目に較べると少ないです。昨年の中3までは、あまりこの部分で心配しませんでした。どちらかと言うと勉強よりスポーツの方が得意という少年・少女が多かったこともあります(笑)。 昨年までは、例えば体育で3がついたとしても、笑って済ませられた場面も多かったのです。それ以外の科目できちんと取っていれば問題ありませんでしたし、内申が全体的に足りない場合でも、本番で点数をきちんと取れれば、進学指導重点校の「特別選考1割枠」で合格することが可能だったからです。しかし、来春の入試からはその点が大きく変わります。実技教科の内申点が2倍換算になることと、特別選考枠がすべて廃止となるため、実技の内申が取れない生徒はかなり苦しくなってしまうのです。体育と言えども、3がついてしまったりするとかなり痛いということです。 そういう意味では、今の生徒たちには体育「も」頑張らせなくてはいけません。昨年までと較べると本格的な運動部に所属している生徒が少ないということもあります。しかし、運動部で日々ハードな活動をしているのに3をもらってしまっているような生徒もいたりします。球技や水泳等で苦手な種目があるということのようですが、帰宅部の生徒で5がついている生徒もいるので、ちょっと悲しい話です。 期末テストの結果はまったく関係ないのか…?と感じる中学校もあります。95点以上取って(学年でトップレベルで)も3で、60点くらいで5がついているケースもあります。実技のテストの出来も、評価と直結していないということを言っていた生徒もいます。確かに、授業態度や先生との相性でほとんど決まってしまうと感じる中学校があるのも事実です。 体育の評定が他の科目に較べて低くなるのには、もう1つ別の理由があります。 (次回に続く…)
内申点のつけ方の基準が変わる!?<その4>
- 2015年8月5日 9:59 AM
- 未分類
GSの生徒たちの内申点は、毎回集約して分析しています。1学期の分もすでにまとまっています。個々の生徒ごとに見れば、やはり上がった生徒が多いのですが、一部に下がってしまった生徒、上げなくてはならないのに横這いで停滞している生徒もいます。夏で飛躍的に学力をつけることと、実技科目も含めて2学期にしっかり取り組んで内申点も上げにかかることを、GSシートをもとにして確認しました。中1は初めての内申点だったので、ちょっとドキドキしていた生徒が多かったようですが、概ね自分で納得できる結果だったようです。
科目ごとの平均点を見ると、GSの生徒たちの特長が如実に明るみに出てしまいます。今回はちょつと秘密をバラしてしまいます。
英・数・国の3教科については、私立中や都立中に在籍している生徒を除いて高校受験をする生徒たちで見れば、平均で4.5に近いところにあります。5と4が半分ずつくらいの感じですね。3教科については、塾の方でみっちりやっているので、当然と言えば当然なのですが、3がついている生徒も何人かいますし、本来5が取れるはずなのに4で甘んじている生徒もいるので、今後まだまだ上げられるはずです。
理科社会は、全体の平均で4.2~4.3くらいのところです。GSは、中1・中2では理科・社会の授業は開講していません。都立高校では進学重点校等グループ作成問題校の受験者が多いため、3教科優先のカリキュラムとなっています。普段は学校準拠の問題集を持たせて取り組ませていますし、定期テストの前はGSタイムで質問を受けたりしています。中3の7月くらいから本格的に理科・社会の入試対策をスタートしていますが、それでもここ数年は入試本番で(理科も社会も)全員の平均で85点以上の結果を残してくれています。それほど、3教科と理科・社会の入試問題の難易度の差が大きいということです。
実技科目については、やはり5教科に較べると落ちる生徒が多いのです。それでも、技術家庭・音楽・美術については、平均で4は超えています。ブラバンや合唱部、あるいはクラスのピアノ伴奏担当の生徒が多いので、音楽は5をもらえている生徒が多いです。さて、問題なのは…
(次回に続く…)
内申点のつけ方の基準が変わる!?<その3>
- 2015年8月4日 10:14 AM
- 未分類
〇日本の歴史・伝統文化・古典を含む国語教育を一層充実させるカリキュラムとする
→日本人としての主体性・アイデンティティーを確立させるための教育であると明示しています。
〇高校の社会で日本史を必修とする
→現在世界史は必修となっていますが、日本史は履修していない生徒もいました。我が国の歴史については、すべての生徒が学習するようにするということです。また、今までどちらかと言うとないがしろにされていた現代史(大正~昭和の時代)についても、きちんと学習できる体制を整えるとのことです。
〇道徳を正式な教科に格上げする
→特別な教科としての位置付けではありますが、文章による評価も行うようになります。(当然内申書にも明記されます) これについては、来年度から全面実施を行いたいとの意向ですが、間に合うのかどうか微妙な情勢のようです。
以上の点については、文科省ははっきりそういう言葉を使っていませんが、「日本人としての誇り」や「愛国心」を育むことが目的です。入学式・卒業式等での日の丸・君が代もさらに強化・徹底していきたい意向です。小中学校や高校のみならず、国立大学に対してもこの部分の徹底を指示したため、一部に反発の声が上がっています。
子供たちが、日本人としてのアイデンティティー・誇りと、文字通りの愛国心を持つこと(持たせること)はとても良いことだと思います。しかし、今回の指導要領改訂においては、グローバル教育のところも含めて、必要以上に画一化を推し進めようとしているように感じます。道徳について、文章であっても「評価」が行われることはとても怖いことです。私立中高では、入試選抜の資料として使う可能性を示唆している学校もあります。教師と生徒という関係であっても、人が人の「道徳性」「人間性」の優劣をつけることができるのでしょうか? 他の教科とは根本的に意味合いが異なるため、評価にはそぐわないと考えます。日本の歴史の学習も含めて、偏向教育につながる危険性を指摘する声も上がっています。新しい指導要領は、来年度にはほぼ具体化してきます。様々なことを議論するのも今年いっぱいでしょう。子供たちの未来のために、より慎重な議論をお願いしたいと思います。
内申点のつけ方の基準が変わる!?<その2>
- 2015年8月3日 10:13 AM
- 未分類
今議論されている指導要領は、当初の予定では小学生は2017年、中学生は2018年を目途に改訂を完了し、2022年までの完全実施を目論んでいました。しかし、東京オリンピックの開催が決まったために、グローバル教育の早期対応が必要だという訳の分からない理由で、急きょ2~3年の前倒しが決まった経緯があります。それだけに、内容が拙速にならないといいなと思っていましたが…
今回の指導要領改訂の柱を2回に渡ってまとめてみます。
〇小学校での英語教育を強化する
→小3から英語の学習がスタートします。小4までは週に1~2時間、小5・小6では週に3時間の授業を行います。正式な教科としての位置付けになるため、通信簿の評価にも入ってくることになります。公立中高一貫校をはじめ一部の私立中学でも、入試の科目(出題内容)として取り入れることを検討しています。(都内の私立中学では、すでに導入している中学校がかなり出てきています)
〇中学校・高校での英語はより実戦的に
→中学校では、原則としてすべての授業を英語で行うことになります。高校では、生徒たちが主体的に発表や討論を英語で行う形の授業を導入し、より高度て実戦的な英語力を身につけさせることを目的とした改訂を行います。
ただし、この部分については有名無実化する可能性が高いです。前回の指導要領の改訂で、高校では原則としてすべての授業を英語で行うということが明文化されました。しかし、最近GSの卒業生たちに聞いても、ほとんどそれは守られていません。都立進学指導重点校などでも、英語オンリーで授業が行われているのは、本当にごく一部の授業のみだそうです。ある高校の校長先生にお会いした時に聞いてみたのですが、「指導要領で「原則として授業を英語で行う」と定められているが、実際には生徒たちの実態を鑑みて現場で柔軟に対応している」とのことでした。これについては、この判断が正しいと思います。トップレベルの高校ですらその状況なのですから、その他多くの高校の状況は想像できます。ましてや、中学校では…
〇特に高校で、上記の点も含めて、英語の4技能「読む」「聞く」「書く」「話す」力を強化していくことが明示されています。これは指導要領の中で具体化されていることではないのですが、大学の入学(受験)資格として、TOEFL等の資格試験で一定の成績を修めることを必修化する動きがあります。大学入学後の卒業要件として、取り入れることを検討している大学もあるようです。
現場レベルでも、中学生のうちから英検を取ることをほぼ義務化している中学校も増えてきました。八王子のいくつかの中学校では、中1のうちに4級、中3までに3級を取ることを厳命されていて、生徒たちが入学直後から英検対策の相談に来ています。これ自体はとても良いことだと思いますし、GSでも直前の対策等応援をしています。ただし、GSでは中3の秋までに準2級(できれば2級)を取ることを奨励していて、実際毎年多くの生徒たちが合格しています。高校受験で最難関校を目指す場合は、そのレベルが必要になるからです。
ただし、「高校卒業までにTOEFLでそれなりの点数を取る」という指針を示されると、途端に敷居が上がってしまうのです。英検とは問われる英語力の質とレベルがまったく異なるからです。残念ながら、私はそのレベルの違いが肌では分からないのですが… GSの講師で、かつてTOEFLを受験したことがある者がいますが、1年間の海外留学を経てある程度英語の日常会話ができるレベルになっていても、かなりしんどいレベルだったそうです。そのレベルのテストを全員に必修化するのは、とても現実的だとは思えないのです。
英語教育について、文科省の進めたい方向性は理解できるのですが、現場での生徒たちの実態と乖離が大きすぎて、ほとんど実効性がない改革となっているのが現状です。文科省はそのことも一部認めていて、2020年に向けて大きく舵を切っていくと宣言していますが、果たして…
内申点のつけ方の基準が変わる!?<その1>
- 2015年8月1日 10:02 AM
- 未分類
あまりニュースになっていないのですが、先日開催された中央教育審議会(中教審)の特別部会において、中学生にとってとても重要な内容が話し合われていました。内申点の評価基準についてです。学習指導要領の改訂についての議論の中で、学習評価についてかなり時間を割いて議論を行い、現状を見直す方針が示されたのです。
具体的に言うと、現在適用されている観点別評価のうち「関心・意欲・態度」の項目を廃止し、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点に絞ることが決まりました。これについて、指導と評価の一体化を進めることも明示されています。
私は、この「関心・意欲・態度」という項目が、内申点をつける上で諸悪の根源になっていると感じていました。テストの点数に関係なく、教師の主観で点数をつけられる口実にもなっていたのです。今回の特別部会でも、この点が明確に指摘されていました。「学校現場では、ノートの取り方や手を挙げた回数が評価対象とされるなど、本来の趣旨とは異なる形での評価が行われている」と… 文科省(諮問機関ですが…)としては、珍しくまともな議論をしていると感じました。この部分については、拍手喝采したいくらいです。
とは言うものの、まだ中教審の答申として取り上げられた段階ですので、今後どこまでこのことが現場に徹底されることになるかはまだ未知数です。今議論している指導要領の改訂は、来年度から移行措置期間に入りますが、全学年で完全に実施されるのは、2020年東京オリンピックの年からですから、あと5年待たなくてはなりません。今の小学校2年生が中学校に入学する年からです。少なくともあと数年は、今の悪しき「主観的評価制度」が続いていくことになります。
(次回に続く…)
ホーム > アーカイブ > 2015年8月のアーカイブ
- 検索
- フィード
- メタ情報

