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2013年10月のアーカイブ
センター試験廃止・続報<その3>
- 2013年10月10日 11:26 AM
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偏差値至上主義や、入試が一発勝負や1点差で合否が決まることを解消するということが今回の改革の根底にあります。この考え方がいかにおかしいかということについて、1日1項目ずつ書いていきます。
「偏差値教育が子供たちの個性を奪っている」
教育の世界では、この言説はかなり前から広く蔓延っています。古くは、20年近く前に埼玉県に端を発した、業者テスト追放運動を思い出します。私が中学生の頃は、中学校で当たり前のように業者テストを実施していました。しかし、中学校の教育の場に偏差値を持ち込むのがけしからんということで、一切追放されて今に至るわけです。今でも、中学校の先生は「偏差値」という言葉を使うことが禁じられているかのような振る舞いをします。
しかし、ちょっと待ってください。決して偏差値が悪いわけではないのです。偏差値って、もともと統計学の用語で、ある集団の中での位置付けをわかりやすく表したものです。その集団の中での真ん中をいつでも50として、ほぼ50段階の相対評価で表したものです。これにより、科目の得意不得意や、違う回のテストの結果の良し悪しが比較できるようになるわけです。平均点との差でみられるじゃないかと思われるかもしれませんが、これがまったくそうではないのです。
1問問題を出してみますので、皆さん考えてみてください。頭の体操です。
今回、Gくんが受けた英語と数学のテストの結果は以下の通りでした。
英語 … 平均点50点 Gくんの点数70点
数学 … 平均点50点 Gくんの点数80点
さて、どちらの科目の方が成績が良いと言えるでしょうか?
瞬間的に数学の方が成績が良いと答えた方は「最悪くん」です。「これだけの情報だと分からない」が正解です。当然、標準偏差によって変わってくるわけです。
例えば、英語はあまり差がつかない問題で、みんなが平均点付近に固まり、70点から30点の間にほとんどの生徒が入っていました。(これを、標準偏差が小さいと言います) そうすると、英語は(集団の中で)トップレベルの成績だということになります。
一方、数学はとても差がつく問題で、100点から0点までなだらかに広く分布していました。(これを標準偏差が大きいと言います) この場合、数学は(集団の中では)大して良い成績ではないわけです。
どうでしょうか? 偏差値を利用する意味が理解してもらえたでしょうか?
お伝えしたかったことは、偏差値って、別に学力やテストの成績だけを表すものではないということです。例えば、身長や体重でも偏差値は算出することはできますし、数値化できて正規分布する指標であれば、何でも偏差値で表すことが可能なのです。それこそ、(問題はあるかもしれませんが)美人度やイケメン度でも偏差値を出すことはできます。(私はせいぜい65くらいかな…) 優しさなど人間としての魅力だって(理屈上は)偏差値をつけることは可能です。
以上のことを理解していただければ、「偏差値教育が間違っていた」という言説がいかにおかしなものかは納得してもらえると思います。
要は、偏差値も使い方によるわけです。業者テストの結果(偏差値)が1ポイント足りないだけで、受けたい学校を受けさせてもらえなかったり(これは高校入試ではまだよくある話です)、毎月の偏差値2~3ポイントの上下に一喜一憂したり(そんなの誤差の範囲です!)していることが問題なわけです。
(次回に続く…)
センター試験廃止・続報<その2>
- 2013年10月9日 9:55 AM
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私が一番腹立たしく思うのは、入試の制度改革そのものというよりも、根底にある考え方なのです。今回の改革には、
「入試が一発勝負だと、体調が悪かったりして、たまたま力を出せない生徒がいるから、努力が反映されずかわいそうだ」
「1点刻みで合否が分かれるような無慈悲な入試制度は、教育上よろしくない」
「大学入試では、ペーパーテストの学力ではなく、もっと人間性を重視するべきだ」
という考え方が根底にあります。今までの受験戦争の過熱によって、子供たちが人間としての魅力を失い、グローバル社会にも乗り遅れ、特に国際社会で通用する人間が少なくなっているという(少なくとも文科省はそう考えている)ことが引き鉄になっています。
私は、この間完全に失敗だったと文科省自身が認めている「ゆとり教育」以上の愚策だと感じています。
実際、大学側からもかなり反発があるようです。国公立大学は当然これに追従せざるを得ないわけですが、どうも東大が賛意を示しているようなのです。ペーパーテストだけで入学してきた学生に限界を感じているという話も伝わってきます。
一方私立大学はこのテストを必ずしも使わなくてもいいわけですが、センター試験を利用している私立大学が90%を超えてしまっている現状の中では、やはり追従せざるを得ないのです。
(次回に続く…)
センター試験廃止・続報<その1>
- 2013年10月8日 10:34 AM
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大学入試が最悪の方向に向かいそうです。
例の「教育再生会議」において、大学入試のセンター試験を廃止して、「到達度テスト」を導入することを検討してきましたが、この度その改革案が素案としてまとまりました。その内容を見ていて、正直腹立たしい思いすらします。その骨子を以下にまとめてみます。
〇今の高校生に影響を与えないように、5年後を目処に切り替える。(今の中2か中1からです)
〇センター試験を廃止して、入試では「到達度テスト」の成績を利用する。高2~高3のうちに何度か受験できるようにし、一番良い成績のものを入試で利用できるようにする。
〇到達度テストの結果は点数で表すことはせずに、科目ごとにA~Eなどのランクで表示する。
〇各大学は、上記のランキングにより学力を把握した後は、(原則学力試験ではなく)小論文や面接等で人物本位の選考を行う。
〇ハイレベルの大学を受験しない生徒向けに、到達度テストとは別に、高2の夏に「統一基礎学力テスト」を行い、推薦入試やAO入試で利用できるようにする。
だいたい以上のような感じです。皆さん、どう感じるでしょうか?
大きな柱は、文科省(下村大臣)の意向でもあるのですが、「一発勝負」と「1点刻み」で合否が決まる現在の入試制度を改めて、生徒の意欲や潜在能力を評価するようにするという考え方なのです。
(次回に続く…)
消費税増税に思う<その4>
- 2013年10月7日 11:50 AM
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もう1つ。今後頻繁に消費税の増税が行われると、特に消費者と最前線で接している小売店は業務が増えて大変なことになります。値段の付け替えやレジの設定変更等は、現場での負担も結構大きいのです。
また、増税の度に、消費者に実質値上げだと認識されてしまい、客足が遠のくような事態にならないとも限りません。それを見越して、すでに値段を内税表示に変更した店も増えています。値段は変えずに、消費税の分を外税で上乗せしていくような形です。GSは今まで授業料等を内税表示をしてきていて、外税表示に変更するつもりはないので、次年度のことは税理士とも相談して決めようと考えています。「消費税還元セール」や、「実質値引き」というような表現は認められませんし、下請け等の取引業者に対して消費税分の値引きを強要することは厳しく罰せられるようなので、どの業界でもきちんと増税分を上乗せしてくることになると思います。
また、細かいことですが、郵便料金の変更とかは本当勘弁して欲しいです。今まで80円の封書が82円とかになるようですが、切手の管理や貼ることだけでも面倒くさいことになります。今手元にある切手を使いきろうとすると、1円切手や2円切手を買ってこないといけないのですから…
電車・バスの料金や、自動販売機とかはどういう対応をするのでしようか? 駅の売店で、のど飴とかを買う時に、100円玉の他に5円を払うのがとても面倒臭く感じていたのですが(財布の中に10円や5円が入っていなかった時の絶望感ったらないですよね…)、来年からは108円になるので、1円玉攻撃を食らうことになるのでしょうね。あっ、そうか。スイカで払えばいいのか…
いずれにしても正式に決まったので、会社としては今から準備を進めて、4月1日になって慌てることのないようにしたいと考えています。
消費税増税に思う<その3>
- 2013年10月6日 10:23 AM
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ここまで書いていて、「ちょっと変だぞ」ということに思い至りました。10月から毎月の厚生年金の支払い額が変更になり、(我々の給料だと1ヵ月に数百円ですが…)給料から天引きされる額が多くなりました。毎年この保険率は上がっていて、今後もしばらく上がっていくことになっています。
年金の原資という部分で言えば、理屈上はここで調整するべきで(というか実際にそういう名目で保険率を上げている)、増税の話をそことリンクさせるのはおかしいのではないかと感じたわけです。
国の財布は同じだという論理なのでしょうが、我々が知りたいのは、増税分が何に使われて、我々にどういうメリットがあるのか…ということです。復興増税の例を見るまでもなく、いい加減な使われ方をしているから原資が足りなくなっている部分もあるはずです。そのあたりについて国民が注視して声を上げていかないと、今後も無駄な税金を払わせられ続けることになってしまいます。
特に私は、仕事上、教育政策の予算について目を通す機会が多いのですが、2014年度の予算編成についてはちょっと方向性がズレていると感じています。一番は、高校生・大学生の海外留学の費用の支給と、無利子奨学金の貸与枠拡大ですが、ICT教育(タブレットの支給やデジタル教育の推進)に、「これでもか!」というくらいに予算を組んでいて、本当に必要なものなのか疑問に感じています。
(次回に続く…)
消費税増税に思う<その2>
- 2013年10月5日 11:33 AM
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3つ目は、増税と社会保障の一体改革と言っている割に、社会保障の改善の方がまったく見えてこないことです。
特に北欧の国は、税金がとても高い国が多いのです。しかし、国民はそのことにあまり不満を抱いていないそうです。それは、教育・医療・福祉等の社会保障がとても充実しているからです。それこそ、学校に通ったり、病院にかかったり、老人ホームに入ったりということがほとんどすべて無料の国も少なくないのです。
大事なことは、税金の絶対額の多い少ないではなく、税金で納める分と自分たちが享受する分のバランスで判断しなくてはならないということです。今回の増税に関しては、(少なくとも先日の安倍総理の会見からでは)その部分がまったく見えてきません。
先日も書きましたが、日本はそこでまったく逆の方向に進もうとしてしまっています。今後も一気に進行する高齢化の状況を考えれは、年金の原資が足りなくなるのは明らかなのですが、政府は年金額の削減と、受給開始年齢を遅らせる(70歳からになるのでしょう)ことで乗り切ろうとしています。
「増税は進める。でも、社会保障は必要なものであっても減らす方向で進める」ということが、私の中での一番の違和感なのです。
(次回に続く…)
消費税増税に思う<その1>
- 2013年10月3日 12:13 PM
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来年の4月1日から、消費税が8%になることが正式に決定しました。私は、このニュースを見ていて、何か言いようのない違和感を感じていました。
まず1つ目は、この増税はすでに国会で法律として決定していたことなのです。それをこの時期に改めて、「正式に決定する」とか「総理が判断する」とか言っていることが理解できません。法で定められたことを、その通りに実行するのに判断が必要なのであれば、罪刑法定主義の存在すら脅かしかねません。
2つ目は、8%への増税が通過点であることは国民の多くが気づいているのに、10%への増税は今後の経済の様子を見て判断するなどと総理が言っていることです。今、そして今後の日本の歳出・歳入の収支を考えれば、増税止むなしというのが普通の感覚でしょう。現在の経済状況と今後の高齢化の進行を考えれば、所得税や法人税の税率を上げるのではなく、消費税増税の方が国民の理解を得やすいはずです。実際、日経新聞の行った世論調査によれば、今回の消費税増税について、賛成が47%、反対が48%とほぼ拮抗しています。有権者の半分近くは、納得というか諦めの境地になっているのです。
他の国では、消費税が20%~25%くらいのところもかなりあります。所得税等も含めた税金は、他の先進国と較べても決して高くないのです。私は、(良いか悪いかは別として)日本の消費税は、今後段階的に20%くらいまでは上がっていくことになると「覚悟」しています。
(次回に続く…)
大学進学率<その3>
- 2013年10月2日 10:41 AM
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現在の大学進学率はほぼ50%ですが、実はほとんどの方が知らないであろう事実があります。それは、男女や地域(都道府県)によって、進学率にかなり差があるということです。
皆さん、男子と女子の進学率は、それぞれどのくらいだと思いますか? 今春のデータだと、男子は54%、女子は46%と、8%ほど差があります。昔よりはだいぶ縮まってきていますが、まだこれだけ差があることに驚いた方もいるのではないでしょうか? 女子の方が、専門学校(特に医療・看護・介護系)への進学率が高いことも大きな理由です。
ちなみに、男女の進学率の差が一番大きいのは北海道、一番小さい(ほとんど変わらない)のは高知と徳島です。
おそらく、ほとんどの方が驚くであろう事実は、大学進学率の地域差がとても大きいということです。18歳(高3)の時に住んでいた場所を基にした、都道府県別の大学進学率をじっくり見てみましたが、私が予想していた以上の状況になっていました。
もちろん東京が一番高いのですが、進学率はどのくらいだと思いますか? 今春は71%です。次に、京都が62%で続きますが、60%以上はこの2つだけです。
一方、一番低いのは岩手県で、何と34%しかないのです。震災の影響が多少はあるのでしょうが、数年前に遡ってもそんなに変わっていません。他の30%台の都道府県を挙げると、北海道・青森・秋田・山形・福島・鳥取・島根・山口・佐賀・長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄と、東北地方・九州地方を中心に、何と全体の1/3以上もあるのです。
その地域に大学が少ないこと、都会の大学へも距離が離れているので行きにくいことが根底にはあるわけですが、特別な一部の者以外、最初から大学進学は考えていない(考えられない)という地域も、かなりあることがこれにより分かります。
東京に住んでいると、どうしても「大学に行くのが当たり前」という気がしてしまいますが、全国的に見るとそうでもないのです。
括ってしまえば全国平均50%ということになるわけですが、それは人口で全体の約1割を占める都民が大きく平均を引き上げているだけであることも改めて分かります。東京が全国的に見て、いかに特殊な地域かということも理解しておく必要があるでしょう。
ちょうど、中3の授業で今やっているのですが、いわゆる「重みつき平均」というやつです。本当は、この大学進学率の都道府県別データは、総和平均ではなく、モード(最頻値)やメジアン(中央値)で見ないと、実態を見誤ってしまうような気がします。
大学進学率<その2>
- 2013年10月1日 12:19 PM
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今後大学進学率(進学希望率)が下がり続けると、大きな問題が1つ噴出します。大学でつぶれるところが増えてくるのです。大学は、受験料・入学金・授業料等、学生が支払うお金でほぼ100%経営を賄っており、国からの補助金も学生の数に応じて支払われるため、学生の数が一気に減ると、すぐに経営に影響が出てきます。民間企業が当たり前にやっているような、「売上・利益の見込みに応じて、人件費等を削減する」というようなことすらできないので、売上減→即経営危機に直結してしまうのです。背に腹は変えられないということで、誰でもいいからということで学生を入学させてしまえば、当然就職率も下がり、評判も悪化し、さらに逆風が吹くようになるという悪循環に陥ります。こうなると、もう経営状態を立て直すことはできません。そもそも、大学で学生と最前線で接している教授たちには、そこの危機感がほとんどありません。自分の職が危うくなって、初めてそのことに気づくわけです。
中堅以下の私立大学が真っ先に候補になるわけですが、国立大学や公立大学もうかうかしていられなくなります。教育内容や就職率アップのための指導はもちろん、それ以外の付加価値も厳しく問われるようになるでしよう。それこそ、図書館や学食等の充実度や、それ以外の斬新な施設の設置で差がつくのかもしれません。今以上に、立地条件による勝ち負けが大きくなる可能性もあります。東京で言うと、郊外にキャンパスがある大学は、それだけで不利になるのかもしれません。だから、都心部移転を実行したり、検討している大学が増えているのだと思います。
いずれにしても、今後大学のサバイバル競争が激化するのは間違いありません。それが(特に付属高校は)高校や中学校まで影響を及ぼすはずです。私は、学校はもっともっと競争にさらされるべきだと考えています。良い方向に向かうことを期待しています。
(次回に続く…)
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