GS進学教室
大学不認可問題についてその5
- 2012年11月11日 11:10 AM
- 未分類
今週・来週は、中学生の期末テスト対策期間です。2学期の期末テストの結果は、どの学年も大変重要なのです。特に中3生は、今回の結果で最終的な内申が決まってしまいます。中3生とは面談の中で、「内申があと3点以上上がれば〇〇高校、上がらなければ△△高校」というような会話がなされています。以前に較べると入試における内申点の比重は下がったとはいえ、都立高校はやはり内申で受けられる高校がほぼ決まってしまうのが現実です。
昨日は、社会デーでした。期末テストの範囲の暗記事項をまとめたプリントを暗記して、テストで満点を取らないと帰れないという過酷な?システムです。そんなことを考えついて実行に移してしまうのは、我らがM本先生です。特に中1・中2生で、社会の成績が今イチな生徒が多いため、今回の特訓を決行しました。生徒たちの様子を見ていて感じたのは、そういう状況(短い時間で覚えきらなければならない状況)が与えられれば、生徒たちはみんなこなしてしまうということです。家でタラタラやていたら、あんなにバンバン覚えられないはずです。勉強において、いかに環境が重要であるかを再認識した1日でした。
今日は日曜日で授業はありませんが(日曜特訓も今週・来週はお休みにしています)、生徒たちは期末対策で集まってきます。私は理科の担当なので、こちらはスマートに?面倒を見たいと思います。
大学が共通して注力しているポイントの3つ目は、「就活支援」です。というか、最近はここをアピールしないと学生を集められないのです。様々なアンケートを見ても、学生・保護者が大学を選ぶポイントの一番目は、「就職率・就職状況」です。当然、総合的に見れば、偏差値的に高い大学が就職の状況もいいのですが、昨日書いた明治のように、就職支援に注力して結果が出ることによって人気が高まっていくというケースが多いです。
最近は、大学で「就職課」という案内を見ることがほとんどなくなりました。「キャリアセンター」とかかっこいい名前をつけて、おしゃれな明るいカフェのような場所を学生に提供し、パンフレットやホームページでも大々的に宣伝して、うちの大学はこんなに就活支援に力を入れていますよ、OBはこんなにすばらしい企業に続々と就職していますよ、というようなPRを行っています。確かに、大学1年生の時から説明会を開いたり、3年生以降になるとエントリーシートの添削や、各種相談を受けたり、昔に較べるとかなり力を入れていることが伝わってきます。
しかし、実際はどうなっているかというと、積極的にキャリアセンター等を利用する学生は、もともと就職ではあまり苦労しないような優秀な学生が多く、大学側が本当に利用して欲しいその他大勢の学生はほとんど寄りつかないというのが実情のようです。実際問題として、何千人もの学生が頻繁に利用したら、場所も人手もパンクしてしまうわけですし、現状でも、相談に行ったとしても、1人の学生にそんなに多くの時間を割けるはずもないわけで、「就活支援に注力している」というのは、(一部の大学を除いて)ポーズでしかありません。
また、見せかけの就職率を高めることに一生懸命の大学も多いです。例えば、就職できなかった学生を、最初から就職を希望していなかったようにカウントして(例えば結婚準備・家事手伝いとか…)、外に発表する就職率を高く見せるようにしたりというケースが往々にしてあります。厚生労働省もこの「悪事」に加担しています。毎年、文部科学省の発表する就職率と大きな隔たりがあるのはこのためです。生徒・保護者の方は、このあたりのことをきちんと理解した上で、大学を選ぶ必要があります。大学側も、就職予備校ではないのですから、もっとアカデミックな部分で堂々とアピールして欲しいなぁと感じているこの頃です。
GSで就活支援コースを開設するにあたり、私は八王子のいくつかの大学のキャリアセンターと話をさせてもらいました。GS就活塾のパンフはすべての大学で設置してもらうことができましたし(これもちょっと驚きでした)、私どものような小さな企業に対しても概ねとても親切に対応していただき、とても好感が持てました。このことは最後に特記しておきたいと思います。
大学不認可問題についてその4
- 2012年11月10日 11:06 AM
- 未分類
大学の「企業努力」の2つ目は、入試の機会増です。指定校推薦、AO入試を中心として、推薦で年内に青田買いをしてしまう割合が年々増えてきました。例えば、最難関の早稲田の政経ですら、推薦で40%以上の学生を確保しています。当然、一般入試の定員は減るわけで、競争率やいわゆる偏差値によるランキングは高い基準をキープできるわけです。AO入試は、以前は一能一芸入試などとも言われ、それこそけん玉が上手くて入学できたというような話もありましたが、今はだいぶ学力や高校での取り組みが評価されるようになってきています。大学・学部によっては、一般入試よりもAO入試の方が(学力勝負でも)入りにくいところもあったりします。しかし、相変わらず芸能人の受け皿になっていたりして、常に批判の対象になっています。
また、一般入試でも、私立大学のセンター利用や全学部入試等、受験機会増が一気に進んできています。センター試験の結果のみで(2次試験をやらずに)合否を判定する大学・学部も増えていますが、近年では、センターの結果が出た後に出願できるところも増えていて(いわゆる後出し出願)、「何だかなぁ」と感じる場面もあります。
全学部入試というのは、1回受験するだけで、複数の学部に出願できるという制度です。受験生としては負担が減りますし、大学としても重複カウントできるため見かけの倍率が上がるので(もちろん受験料は複数入る)、WINWINの制度だと言えるでしょう。この制度をうまく利用したのが明治大学です。志願者数日本一は、この制度にも助けられているのです。一方、受験生集めで苦戦している法政は、この制度を利用していなかったことが敗因の1つとされています。
3つ目は…
(次回に続く…)
大学不認可問題についてその3
- 2012年11月9日 12:32 PM
- 未分類
今回の「騒動」は、本日田中大臣が会見で初めて謝罪をして、とりあえず終幕ということになりそうです。(自民党は終幕にはしないでしょうが…) 国が大学の数を減らすことについて、急に強硬手段に訴えた背景には様々な要素がありますが、私は、現在の不況を打破するために、安価な労働力を多く市場に取り込みたいという意図が一番大きいのではないかと感じています。大学の数が減って進学率が下がれば、高校を卒業して働く若者の数が増えます。当然、大卒よりは給料を抑えることができるわけで、国や企業はブルーカラーとして望ましい労働力が得られるわけです。中国との関係悪化も一因になっているでしょう。日本の企業は、海外(特に中国を中心としたアジア)の労働力を安く使って、利益を生んでいるわけですが、国内でそれができれば、無理に海外に工場を作る必要がなくなります。大学生の数が減れば、大卒の就職率も上がるので、政府としては願ったり叶ったりなわけです。これはちょっと穿った見方すぎるでしょうか?
今回は、大学側の視点からこの問題を考えてみたいと思います。大学全入時代を迎えて、各大学は生き残りに必死です。安泰なのは、旧帝大と早慶レベルの私大(学部にもよる)くらいでしょうか。中堅以下の大学はもちろん、MARCH(明治・青山・立教・中央・法政の頭文字です。念のため)のレベルですら、様々な施策により受験生確保に奔走しています。その「企業努力」により、「成果」に大きく差がついています。
ここ数年、最も人気を伸ばしているのが明治です。ついに早稲田を抜いて、志願者数トップに踊り出ました。様々理由があるのですが、いくつか挙げると、就職支援に注力していること、芸能人等のイメージ戦略が成功していること、新しい学部(情報コミュニケーション学部)を設立して当たったこと、建物がきれいになったこと、全学部入試等で受験機会を増やしたこと等が上げられます。
一方、中央や法政が受験者確保という視点では苦しいのですが、やはり立地の問題が大きいように思います。受験生の都心信仰は年々強くなっている気がします。(私は八王子は好きですよ。もちろん) 実際青山は、来春から相模原キャンパスをすべて都内に移転します。法政も都内移転を検討しているようです。
各大学が、共通して力を入れていることが3つあります。1つは、ブランド戦略です。都内移転もその1つですが、大学の名前を今風に変えたり、有名芸能人・スポーツ選手を入学させてそのことを大きく謳ったり、パンフレットやホームページにかなり費用をかけたり、電車内の広告も増えていますし、広告宣伝費もかなり使っていますね。
そんな中、大学が一番神経を尖らせているのが、職員や学生の不祥事です。中央大学の不正入試の件は、理事長更迭にまで発展してしまいましたが、たった1人の学生の不祥事であっても、悪意を持った報道をされることによって、大学のイメージに傷がついてしまうことを恐れています。
私は、ここについての最近の風潮には大変疑問を感じています。在籍する学生が何か事件を起こした時に、大学の関係者が会見を開いて謝罪をしたりしています。「管理不行き届きで申し訳ない。今後さらに学生の指導を徹底します」みたいな… メディアも当然のことのようにそのことを追及しています。「ちょっと待って! 本当に大学に責任があるんですか?」 と言いたいのです。学内の体育会やサークルが組織的に関与していたような場合は別として、学生個人が学外で起こした問題について、なぜ大学が責任を感じるのでしょうか? 逆に言えば、大学はどこまで学生の指導に関われているのでしょうか? 私は中学校や高校であっても、学校の責任を問うのはおかしいと思っています。保護者が出てきて会見で謝罪するなら理解できますが(そんな保護者はいないでしょうが…)、会社も含めて、何でもかんでも所属する組織の責任を追及する日本のおかしな風潮については、ここで一石を投じておきたいと思います。
ちょっと話が逸れました。大学に共通する「企業努力」の2つ目は…
(次回に続く…)
大学不認可問題についてその2
- 2012年11月8日 11:05 AM
- 未分類
昨日の文科委員会を帰宅してからビデオで見ましたが、田中大臣が野党はもちろん民主党内部からも突き上げられて、5時間に渡る攻防の末、最後は後ろに控えていた官僚に促されて渋々認可したという状況でした。強硬に不認可を打ち出した手前、引くに引けなくなってしまったということだと思いますが、大学側が行政訴訟まで視野に入れていて、訴訟になれば文科省の敗訴がほぼ見えていたため、大臣以外は全員撤回を進言していたそうです。いずれにしても、大学側・受験生への被害が最小限に済んで良かったと思います。
それはそれとして、田中大臣が今回なぜあんなに強硬に大学設立に待ったをかけたのかを考えてみたいと思います。
私が思うに、近年、大学生の数が一気に増えすぎてしまいました。私が子どもの頃は(いつの話だ!?)、大学進学率は25%程度でした。「大学に進めるのは4人に1人だから、大学に行きたいなら頑張って勉強しないとダメだぞ」という話を学校の先生から聞いた記憶があります。それが今は、4年生の大学だけで進学率50%を超えています。2人に1人が大学生になれる時代なのです。今後も大学が増え続けると、少子化の継続もあり、さらに進学率が上がる見込みが立っています。昨日書いた通り、定員割れの大学が急増し、大学側も生き残りをかけて、AO入試等で何でもありで(学力が伴わなくても)学生を確保し、結果、勉強しない大学生がはびこり、大学教育の質も低下してきたのです。
私の感覚だと、今本当に将来やりたいことがあったりして、大学で自分なりの目標を持って勉強やスポーツに取り組んでいる学生は(大学生の)2割程度だと思います。残りの半分は、まぁそれなりにやっている学生。最後の半分(つまり全体の4割程度)は、ただ大学生になってはみたものの、勉強もほとんどせず、サークル活動やバイトに勤しんでいるいる学生はまだいい方で、何の目的もなく4年間を過ごしてしまっている学生も多いと思います。だから、以前に書いた就職率60%というのは、あながちおかしな数字ではないと私は感じています。
今の日本は、大学に行く必要がない学生まで進学してしまっているのです。少子化にもかかわらず、大学をどんどん増やしてしまったために、(希望すれば)誰でも大学生になれるようになってしまったからです。結果、大学はレジャーランドと化し、大学は出たものの…という状況が生み出されてしまいました。この状況を打破するために、大学の数を減らそうという動きがあります。田中大臣が言い出すまでもなく、文科省は全体とししてはその方針の元に様々準備を進めています。(経営的に苦しい大学、杜撰な大学を放置すると、大きな問題が起こってくることは昨日書いた通りです) ただ今回は、田中大臣があまりにも乱暴すぎたために、問題が違う意味で表面化してしまったわけです。
私も、大学は一定社会に出るまでの猶予期間を保証する場所であっていいと考えています。何も大学生は勉強ばかりしていろと言っているのでなく、スポーツやサークル活動、アルバイト、ボランティア、その他社会勉強をどんどんするべきだと思います。しかし、その大前提として、最低限の勉強をする必要はあるし、高い学費を親に払ってもらって、(私立であっても)税金を使って、社会に出る前の準備期間を過ごしているという自覚を持って、様々なことに意欲的に取り組むことが必要です。極論かもしれませんが、勉強したり自己成長に時間を使う気があまりないのであれば、大学に行かずに、少しでも早く社会に出るか、専門学校にでも行って手に職をつけた方が長い目で見て幸せになれるのではないでしょうか? 一昔前と違って、(一部の難関大学を除いて)4年制の大学を出ることが、社会で優遇されるパスポートにはなりません。
次回は大学側に視点を置いて、現在の問題を掘り下げてみたいと思います。
(次回に続く…)
追伸
- 2012年11月7日 5:37 PM
- 未分類
先ほど田中大臣が委員会の中で、「3つの大学については認可する」と発表しました。関係者の皆様、良かったですね。
まさか、大臣が私のブログを読んだから…というわけではないと思いますが。(笑)
大学不認可問題についてその1
- 2:34 PM
- 未分類
田中真紀子文科大臣による大学不認可問題がクローズアップされています。来春開校を予定して準備を進めていた3つの4年制大学が、この時期になって大臣の一存で不認可となり、開校できない事態となっているのです。
私は、田中大臣の主張と、今までの経緯をある程度調べましたが、「全体の方向性としては正しいが、今回の3つの大学の件は乱暴すぎて話にならないため、即認可すべき」という考えです。
田中大臣も言っていますが、少子化が進行しているにもかかわらず、大学の数が増えすぎました。30年前と比較すると、ほぼ倍増しているのです。結果、今春のデータでは、私立大学の46%が定員割れ、40%が赤字となっていて、大学の教育の質の低下や杜撰な経営が大きな問題となっています。群馬の創造学園大学が今年度いっぱいで解散となるニュースは、ご存じの方も多いと思います。経営的な問題によるものですが、学生が在籍している大学がなくなるのは初めてのことです。このまま行くと、今後私立大学はバタバタとつぶれてしまう可能性があるのです。需給バランスが崩れているのを放置した責任は国(文科省)にもあり、それを改善しようという方向性自体は間違っていないと私は思います。
さらに付け加えるとすれば、国立大学はもちろん、私立大学も補助金という形で我々が納めた税金が使われています。赤字の大学は、補助金によって何とか運営をしている状況なのです。大学の乱立が、今の国の財政難を助長していることも知っておく必要があるでしょう。
ただ、今回の3つの大学については、今まで数年間、文科省とその諮問機関の指導を受けながら準備を進めてきており、大臣のところで不認可になることはないという前提の元で(あとは形式上の手続きのみという状態で)申請を出しているので、「認可される前に建物や教授等の準備を進めるとはけしからん」という主張は成り立ちません。大臣は、その諮問機関の構成(大学関係者がほとんど)も気に入らないようですが、それはこれから先の話で検討するべきで、すでに動き出している大学を「ちゃぶ台返し」することは、大学側はもちろん、社会一般の感覚からも認められません。オープンキャンパスや推薦入試の準備が最終局面を迎えているようなので、受験生たちに影響を与えないよう、速やかに決断をして欲しいと切に思います。
(次回に続く…)
なぜ塾業界は早期離職者が多いのか?その2
- 2012年11月5日 12:29 PM
- 未分類
3つ目の理由は(私はこれが一番顕著だと感じているのですが)、いわゆる「青い鳥症候群」や「モラトリアム」タイプの若者が多いことです。今の社会全体としてそういう傾向にあるのかもしれませんが、特にこの業界にはそういう若者の割合が高いと感じています。
皆さんは「チルチルミチル」のお話を知っているでしょうか? 貧しい兄妹が、見つけたら幸せになれるという青い鳥を求めて様々な国を冒険しますが、どこにも青い鳥は見つかりません。すっかり疲れ果てて家にもどったら、実は青い鳥は家にいたというお話です。「今、足元にある幸せには気付きにくい」という例え話に使われます。「隣の芝生は青く見える」という格言もありますね。もっとやりがいがあって、待遇も良くて(楽な)、自分に合った仕事があるに違いない。自分のやりたいことはこんなことじゃない。と常に考えながら仕事をしているように見えます。(自分で選んだ仕事なのに…) そんなわけで、若いうちに同じ業界・違う業界含めて、転職を繰り返す者も多いのです。私は、今目の前のことに一生懸命できない者は、どこに行ってもダメだと考えています。確かに自分に合う仕事、合わない仕事というのはあると思いますが、少なくとも(下積み生活も含めて)3年間頑張れないのであれば、どこに行っても、「この仕事は自分に合わない」と感じてしまうのではないでしょうか。
「モラトリアム」というのは、教育心理学の用語ですが、社会に出る前の「猶予期間」を指します。大学生に対して使われることが多く、自分探しをずっとしているために、社会に出ること、責任ある仕事をすることの踏ん切りがつかない状態を言います。この業界の若い連中を見ていると、正社員として就職したのにずっと「モラトリアム状態」を続けている者が多いことに気づきます。「すべて他人事」「誰かがやってくれるだろう」「自分の好きななことは一生懸命やるけど嫌なことはやらない」「言われたことはやりますけど…」「プレッシャーがかかる場面は極力避ける」「ごく限られた少人数の仲間としか打ち解けない」「でも1人で行動することは不安」というような特徴があります。それに加えて、ここ数年の特徴として、「出世したくない」「給料は上がらなくてもいいからのんびり仕事したい」「自分の休みが最優先」、そして「会社がどうしてもと言うなら辞める」という者の割合が増えているように感じています。おそらく、他の業界でも、おじさん世代は同じようなことを感じている方が多いのではないでしょうか。
誤解をされるといけないので明記しておきますが、新卒1~2年目から高い意識を持って仕事をしていて、塾の大事な戦力になっている者もたくさんいます。本当に子どもたちのことが好きで、苦労を厭わず面倒を見たり、自ら塾の(会社の)役に立てることを探して仕事に取り組んだりして、下手なベテランたちよりいい仕事をしている者も少なくありません。塾の教師は、若いというだけで(対生徒の面では)大きな武器ですから、私などは羨ましく感じる場面もあります。今回は、厚生労働省の発表したデータについて、あくまでも全体の傾向として分析したまでだということをご理解いただけると幸いです。
しかし、今後の塾業界のことを考えると、(特に大手塾は)若い力を戦力化できたところが生き残っていくことは間違いないと思います。私は現在、様々な塾の若い教師たちの研修にも携わっています。自分の経験を伝えることにより、この業界に少しでも恩返しができればいいなぁと考えています。塾教師の仕事の喜び・充実感・奥深さ等を伝えることにより、結果として、短期間で辞めてしまうような職員を少しでも減らせたら嬉しいですね。
なぜ塾業界は早期離職者が多いのか?
- 2012年11月4日 1:02 PM
- 未分類
私たちの業界が、3年未満離職率No.1であることには多少ショックを受けましたが、冷静な目で見ると、やはり他の業界に較べるとそういう傾向にあることは、私の実感としても納得がいきます。その理由は3つ程あると私は考えています。
1つ目は、最初から「腰かけ」のつもりで就職する者が(他の業界と較べると)多いということです。学生の時にアルバイトで塾で働いていた者が、就職の際に、他にあてもないので「とりあえずそのまま」というケースが多いのです。塾側としても、まったく知らない学生を採用するよりも、自分のところで経験がある学生を採用した方が様々な意味で安心感があるわけです。仕事を1から教える必要がなく、力がある者は(教師としては)即戦力で働けるケースも多いと思います。
また、ゆくゆくは学校の先生になりたかったり、(今はだいぶ少なくなりましたが)司法試験等の資格試験合格を目指しているような者が、とりあえず生活のために塾で働きながら勉強してチャンスをうかがっているケースもあります。「とりあえず就職組」ですから、他のことで目処が立てば当然辞めてしまうわけですが、目処が立たなくても、仕事と勉強の両立が難しいことに気付き、早い段階で辞めてしまう場合もあります。
2つ目は、想像よりも仕事が大変だということです。時間帯の問題もあると思います。授業が終わるのは夜10時近くなるので、どうしても帰宅できるのは深夜になります。午後出勤の場合が多いとは言っても、会議や面談があったり、授業の準備等にも時間がかかるので、(特に経験の浅いうちは)早く出勤しないと仕事が回らないことも多いでしょう。時間が足りないため、授業の予習は家に持ち帰りになることも… 講習会の時は、どうしても朝から夜までの長時間勤務になります。1日8時間も授業があることはざらで、(予習・準備等も含めて)体力的にかなりハードです。
日曜日が出勤で平日が休みになる場合が多いこともあり、普通の会社に勤めている人とは時間が合わないでしょうから、なかなかデートの時間も取れません。(その前に出会いがないという噂も…) 若い連中にとっては大きな問題なのだと思います。
さらに、塾の仕事というのは授業だけではありません。学生でアルバイトとして働いていた時は、とりあえず授業をやって、生徒の面倒を見ていればよかったわけです。時給も他の仕事と較べると格段に高いですし、若くして「先生、先生」とチヤホヤされて、こんなにすばらしい仕事はないと思って、そのまま就職するケースも多いです。(25年前の私がそうでした…) しかし、社員として就職すると、保護者の対応も増え、生徒集め(営業)に使わなくてはならない時間も多くなり、合格実績輩出やクレーム対応等責任ある仕事も入ってきて、プレッシャーがかかることが格段に多くなるのです。ありていに言えば、もっと楽な仕事だと思っていたのに(だから塾の仕事を選んだのに)、「こんなはずじゃなかった…」と感じて辞めてしまう者が多いのです。私はその中でもかなりハードな仕事をこなしてきたという自負がありますが、それでも他の業界の仲間たちから聞く話からすると、まだまだ楽をしてきたのだなぁと感じています。しかし、若い連中にはそうは思えないようです。
3つ目は…
(次回に続く…)
せっかく就職できたのに…
- 2012年11月2日 11:08 AM
- 未分類
皆さん、左の表を見てください。これは、高校・大学を出て新卒で就職した若者のうち、3年以内に退職した者の業種別割合です。就職難の厳しい状況については、この間かなり詳細にお伝えしてきましたが、せっかく就職しても3年持たずに辞めてしまう若者が多いのです。今春の最新のデータ(つまり2009年就職組)では、高卒で36%、大卒で29%が3年以内に退職しています。3人に1人が辞めてしまっているという信じ難い現状ですが、さらに驚くのは、その中で、起業や転職等、次の仕事が見つかってから辞めている者は半分に満たないということです。新卒ですら就職が厳しいわけですから、既卒はさらに厳しい状況なわけで、その若者たちは、今何をやっているのでしょうか?
さて、離職率のトップは何と!私たちの業界です。実に半分が3年以内に退職しています。これは、私の今までの肌感覚とほぼ一致します。塾業界では、1年ごとに2割ずつ辞めて行って、5年でほとんど残らないというのが定説になっています。
私も新卒でこの業界に入って(というより大学生の時から働いていました)、25年以上経ちましたが、業界では稀有な存在だと思います。とにかく、ずっと仕事が楽しかったし、生徒や保護者、そして周囲の上司や同僚・部下にとても恵まれたことも大きかったと思います。こんなに楽しいことをさせてもらっていて、給料をいただけて(今は払う立場ですが…(^_^;))、ご飯を食べられるなんて、なんて幸せなんだろうと今でも思っています。そういう意味では、今の若い連中は可哀想だなぁと思います。この仕事の醍醐味・本当の面白さが分かる前に辞めていってしまうのですから…
では、なぜ塾業界はこれだけ退職率が高いのでしょうか?
(次回に続く…)
集団討論の対策その3
- 2012年11月1日 1:46 PM
- 未分類
集団討論を巡っては、都教委や現場の高校の先生方がまだこの時期になっても混乱をしているため、蓋を開けてみたら、「おいおい、なんじゃそれ?」という事態が起こることも十分に考えられます。私たちとしては、そこまで想定して生徒たちに指導しておかないとならないわけです。
まず、都教委が非公式(公に文書では発表していない)に言っていることを記してみます。
「受験生はあるテーマについて一人ずつ意見を述べ、その後、他の受験生の意見も踏まえて再び自分の考えを語る。ディベートのように意見を戦わせることはしない」
??? すでにここで私の頭は完全停止です。それって集団討論とは言わないのではないですか? ただのグループ面接です。試しに、いくつかの辞書で「討論」という言葉を引いてみました。どの辞書にも、「~意見を戦わせること」と明記されています。もし、上記の通りで進行するとしたら、面接官が答える順番を指定するのでしょうか? 単に意見を順番に2~3回ずつ言うだけなのでしょうか? (その場合、順番の不公平性も問題になってきます)
集団討論では、どこで発言するか、他の生徒の意見に対してどのタイミングでどういう突っ込みをするか、全体の意見をグループとしてまとめていく過程で誰がリーダーシップを取るのか、議論の中での協調性やコミュニケーション力を採点されるべきものです。
次は、現場の高校の先生の発言です。
「「成績は良いがおとなしい」 「人前で話すのが苦手」なタイプの受検生に優秀な生徒もいる。そのような生徒を見逃さないようにしたい」」
こうなってしまうと、大きな問題だと言わざるを得ません。うまくしゃべれなかった生徒に、良い点数をつけてしまうのでしょうか? 面接・集団討論の趣旨・採点基準を根底から否定してしまっているのです。都教委が意図している、「成績だけでない多様な側面での選抜」という狙いがきちんと伝わっていないように感じます。
私が感じているのは、都教委の決定があまりにも急で、もっと言えば都教委も集団討論の何たるかが分かっていない準備不足の状態で、現場にポンと下ろしてしまったために、混乱が生じているということです。昨年からの推薦入試改革のやり取りをほとんど見てきましたが、(あくまでも私の個人的な感想ですが)口のうるさい数名の教育委員を納得させるために、上辺の形式だけとりあえず整えたという感じがします。そうでなければ、この時期になっても、集団討論の実施マニュアルが現場の高校に下りていなかったり、各高校のホームページや説明会で最低限の情報すら出て来ないという状況はなかったはずです。
また、ここで石原都知事が急に辞められてしまったことも、とても残念です。この10年間、教育面、特に都立の改革については、それこそ陣頭指揮を取られてきたのを肌で感じていました。ワンマンだとか様々言われていますが、石原さんがいなかったら、都立中高がここまで復権することはなかったはずです。そういう意味では、次の都知事が誰になるのか、今までの都立改革を引き続き推進してくれるのかについて、とても関心を持っています。
以上、集団討論については、様々混乱しています。また新しい情報が入り次第、この場でお知らせします。我々としては、最終的にどんな形になっても、生徒たちが自分の力を出しきれるように指導を徹底していくしかありません。
ちなみに、例の杉並区の和田中では、「よのなか科」において継続的に集団討論を実施しています。校長先生は、「ようやく時代が我々に追いついてきた」みたいなことをおっしゃっていて、すごいなぁと思います。ちなみに、和田中で実施した集団討論のテーマを挙げると、「コンプガチャとAKB総選挙商法の違法性」 「猫ひろしがオリンピック出場のために国籍を変更したことについての是非」等、さすがに最先端を行っています。
- 検索
- フィード
- メタ情報


