- 2026年11月4日 11:46 PM
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このテーマについて書く際には、まずこの前提が本当に正しいのかどうかを検証しなくてはなりません。
まず学校でのいじめの件数についてです。文科省が公表している資料を基に、この10年間の小学校・中学校・高校でのいじめ認知件数をまとめてみます。
| 年度 | いじめ認知件数 |
|---|---|
| 2015年度(平成27年度) | 約22万5,000件 |
| 2016年度(平成28年度) | 約32万4,000件 |
| 2017年度(平成29年度) | 約41万4,000件 |
| 2018年度(平成30年度) | 約54万4,000件 |
| 2019年度(令和元年度) | 約61万2,000件 |
| 2020年度(令和2年度) | 約51万7,000件 |
| 2021年度(令和3年度) | 約61万5,000件 |
| 2022年度(令和4年度) | 約68万2,000件 |
| 2023年度(令和5年度) | 約73万3,000件 |
| 2024年度(令和6年度) | 約76万9,000件 |
出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」。
① いじめの認知件数は長期的に増加している
2015年度の約22万5000件に対して、2024年度は約76万9000件です。認知件数は約3.4倍になっています。ただし、これは実際にいじめが行われた件数が増えたことを意味するわけではありません。文部科学省は、いじめの定義の理解が広がったこと、アンケートや教育相談の充実、インターネット上のいじめの把握が進んだことなども、認知件数の増加に影響していると説明しています。
② 2020年度にはいったん減少している
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で学校生活や登校状況が大きく変化した時期です。子どもが学校に行かない期間がありました。そのため、認知件数の減少によって、いじめが減少しているという結論にはなりません。
③ 最近も増加が続いている
2022年度以降は、70万件を超える水準に達しています。なお、いじめの認知件数が多い学校が、必ずしもいじめ問題への対応が悪いとは限りません。小さな事案も積極的に把握し、早期対応に取り組んでいる可能性があるためです。このことを文科省も協調しています。
いじめの認知件数とは別に、特に注目したい指標が「いじめの重大事態」です。文科省はこの数字も公表していますが、2024年度の重大事態の発生件数は、1405件でした。前年度の1306件から100件近く増加し、過去最多となっています。重大事態とは、いじめ防止対策推進法に基づき、いじめによって児童生徒の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合や、いじめによって相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合などに該当するものです。重大事態の件数は、いじめ問題の深刻さを考えるうえで重要な指標です。
データでは以上の通りですが、私が子どもたちや周りの保護者を通して、あるいは仕事で学校に入り込んでいてのリアルな実感を併せて考えると、「いじめがこの何年かで増えている」のは間違いありません。もちろん、文科省が言う通り、積極的にいじめを報告するようになった(以前は隠蔽していた)ことの影響もありますが、それを除いても学校現場でのいじめ件数は確実に増えています。特にこの10年で大幅に増えたのは、ネットSNSでの誹謗中傷や、LINEでの悪口・仲間はずれ等のいじめです。このデータは文科省は公表していませんが、これも私の実感として増えていることは間違いありません。厳密に言えば、これが「学校のいじめ」に該当するのかは難しいところですが、例えばクラスのグループLINEの中で行われているいじめは、学校生活の一環として捉えざるを得ないでしょう。(学校の先生が対応できる範囲を超えているというのはその通りだと思いますが、それはまた別の問題です)
(次回に続く…)
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