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2015年6月のアーカイブ

国立大学の授業料が私立大学と同じ水準に!?<その5>

  • 投稿者: gs_staff
  • 2015年6月4日 12:43 PM
  • 未分類

この問題の顛末が気になるので、文科省の出している声明や、下村大臣の会見の内容を毎日チェックしているのですが、今のところ踏み込んだ発言を目にすることができません。どちらかと言うと、学校の教員の定数削減反対の方に意識が行っているようです。確かに、10年間で4万人以上の教員を削減するという案ですので、これはこれで大変なことだと思います。しかし、国立大学の授業料を私立大学と同じレベルに値上げするという大きな問題が、このまま簡単に決定してしまったら、とても怖いことだと思います。

もし仮にそうなったとしたら、どんな状況が生まれるか考えてみました。ひと言で言うと、生徒たちは無理に国立大学進学を目指す必要がなくなってしまうということです。やはり、授業料が安いことが国立大学の最大の魅力であることは否定のしようがない現実だからです。東大等一部の最難関大学を除いて、ステ-タスが一気に落ちる大学が増えるでしょう。地方の国立大学も学部によっては凋落するでしょうし、都心部でも募集が成り立たない大学・学部も出てくると思います。今まで国立大学を目指していた優秀な層が、私立大学に流れるからです。私立大学では、早慶上理レベルはもちろん、MARCHレベルもその恩恵を享受することになると思います。国立大学は、(科目数等)入試の負担が大きいので、授業料が私立大学とほぼ同じくらいになってしまったら、無理して目指すメリットがなくなってしまうのです。
さらには、大学進学率も下がってくるかもしれません。現状では、家庭の経済的な理由のために、国立大学しか進学させられないという声は決して少なくないと思います。これだけ大学の学費が高いと、特に子供が多い家庭にとっては、かなり深刻な問題が生じているのです。国立大学の学費が値上げとなったら、泣く泣く大学進学を断念せざるを得ないケースも出てくるでしょう。
以上のようなこと考えると、国は結果として自分で自分の首を絞めることになると思うのですが、このあたりのことをどんな風に考えているのか聞いてみたいところです。

この問題について様々調べている中で、実は大学の再編については、もっと大きな波・課題が存在していることに気付きました。

国立大学の授業料が私立大学と同じ水準に!?<その4>

  • 投稿者: gs_staff
  • 2015年6月3日 3:48 PM
  • 未分類

公立高校の授業料免除に所得制限をつけることに私がなぜ反対しているかと言うと、学校教育はサービスを受ける人(子供)とその対価を支払う人(保護者)が異なるからです。意図する・しないに関わらず、子供たちを巻き込んでしまうことになる場合もあります。
考えてみていただきたいのですが、同じクラスの生徒の中で、授業料が無料の生徒と有料の生徒が混在しているのです。当然子どもたちも、それは家庭の収入の多少によるものだということを知っています。文科省は、以前に担任の教師にもその情報は伝えないで、事務職員限りにするというようなことを言っていましたが、そのことにも無理がありますし、生徒たちの中でどうしても意識してしまうはずです。実際、GSの中3生同士で、「都立高校に進学したらうちは授業料タダになるのかな…?」というような会話をしているのを聞いたことがあります。口には出しませんでしたが、「おいおい、ここ(教室)でそんな際どい話をするなよ…」と、私が慌ててしまいました。

ひと言で言えば、その制度により教育の公平性が保てなくなるということです。子供たちが、自分たちではどうすることもできない部分で差別(区別?)されてしまうことが問題だと思うのです。
同じ理由で、私は塾や予備校の特待生・奨学生制度には反対です。自分の塾では絶対に導入することはありません。同じ授業を受けているのに、(成績によって)払っている授業料が違う(無料で受けている生徒もいる)ということにとても違和感を感じます。私立高校でも授業料無料の特待生・奨学生制度を取り入れているところが増えています。これについては、一定止むに止まれぬ事情があることも理解できますが、やはりこの制度によって優秀な生徒を確保して大学受験の合格実績に貢献してもらおうという考え方に手放しでは賛同できません。ただし、授業料の額が自分の成績で決まっているという部分で、親の年収で決まる公立高校のケースよりはまだマシなのかな?と考えたりします。

そんなことを言出したら、「そもそも、どの家庭に生まれたかで子供たちの格差は厳然と存在するじゃないか。家庭の経済的な状況や親の意識によって、子供が享受できるものに違いがあるのは当然でしょ」という意見が出てくるかもしれません。
(次回に続く…)

国立大学の授業料が私立大学と同じ水準に!?<その3>

  • 投稿者: gs_staff
  • 2015年6月2日 1:43 PM
  • 未分類

なぜそう感じたのかと言うと、同じようなケースで前例があるからです。

今現在、都立高校(県立高校)の授業料は無料だと思っている方が多いと思いますが、 実はこれが条件付きなのです。厳密には各種控除を除いた所得で判断するのですが、世帯収入ベースで約910万円以上の家庭の子供は有料となっているのです。やはり数年前に、無料を継続するか否かという議論が活性化し、財務省は全員を有料にしたかったようですが、世論の猛反対もあり、落としどころとして年収条件をつけたという経緯があります。もともと、この公立高校無料の政策は民主党政権の時に成立したもので、現自民党政権はできれば(無料を)廃止したいと考えていjます。(文科省は継続を謳っていることもありますが、予算を握っているのは財務省ですから…)
年間授業料は12万円程度ですが、(年収が910万円を超えていたとしても)子供が多いご家庭は苦しくなっているようです。そう言えば、GSの関係者で都立高校に子供が4人通っているご家庭があります。(無料かどうかは聞いていませんが…)
実は私立高校に通わせているご家庭の方が影響が大きい場合が多いかもしれません。皆さん意外とご存じないのですが、私立高校に通っていても、(公立高校の授業料と同じ)年間12万円の補助が国から出ているのです。もちろん、ここにも年収条件がついています。年収が910万円以上のご家庭は、私立高校の授業料が年間12万円値上げになるのと同じことになるわけです。

なぜこういう発想が出てくるのかというと、経済学で言うところの「所得の再分配」の考えが基になっているからです。税金の累進課税制度もそうですが、所得の多いところからたくさん取り、少ないところからは少なく取り、結果として富を公平に近づけようという考え方です。
私は、教育に関する政策においては、この所得の再分配(特に支払うべき金額に格差をつける形)は大反対です。
(次回に続く…)

国立大学の授業料が私立大学と同じ水準に!?<その2>

  • 投稿者: gs_staff
  • 2015年6月1日 3:18 PM
  • 未分類

財務省は、国立大学にも富裕家庭の子供も多いからということを理由に挙げています。また、家庭が低所得で優秀な学生は、奨学金制度を充実させることによって救済すればいいということもコメントしています。
確かに、東大をはじめとする最難関の国立大学は、年収が高い家庭の子供が多いということはよく知られています。しかし、あくまでもそれは平均的に見るとということであって、中には国立大学の授業料が私立に較べて安いから通うことができたという生徒はかなりの数いるはずです。今回の財務省の提案を受けて、「貧乏人は大学に行くなということか?」とか、「教育の所得格差を拡大させるつもりか?」というような、怒りに満ちた声を多数見聞きします。私のブログを読んでこのことを初めて知った保護者の方やブログの読者の方から、驚き・不安等の声もいくつか寄せられました。

こういうケースでは、奨学金について安易に取り上げられることが多いのですが、私は今の日本の奨学金制度には大きな問題点を感じていて、「奨学金は極力借りるな!」という立場です。(このあたりについては書くと長くなるので、またの機会に…)

今の国の財政状況(歳入と歳出のアンバランス)については、何とか改善しないといけないのは間違いありません。しかし、手をつけるのはここではないと思います。他に無駄を削減できるところがいくらでもあるように感じています。子育て・教育のところで言えば、「子育て世帯臨時特例給付金」についてがすぐに思い浮かびます。子供1人につき、年間3,000円が支給されるというものですが、受け取る側の満足度に比して、事務作業にかかる手間・費用等も含めた歳出が多く、全体の幸福につながっていないと感じるからです。八王子市でも先週郵送で申請書が届いているようですが、少なくとも私の周りの子育てママたちは、ほとんど喜んでいません。消費税増税に伴うアリバイ作りと感じてしまうのは、私がへそ曲がりだからでしょうか?

国立大学の授業料値上げは、まだ財務省の提案の段階です。最終的に国会で承認されないと話は進みません。その段階では、当然世論の状況も参考にするでしょう。そういう意味では、こういう部分についても、国民がもっと声を上げないといけないのだと思います。文科省は、当然このことについて反対の声明を出していますが、財務省のもの言いに較べて何か弱腰に感じるのは私だけでしょうか?(麻生さんと下村さんの顔が浮かぶせいかもしれませんが…)
最終的にその方向で進むかどうかは、とても微妙な情勢だと思います。私が今回可能性があるのではないかと感じているのは、所得による制限が加わる形になることです。
(次回に続く…)

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