- 2012年10月6日 11:43 AM
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4月に実施した「全国学力テスト」の結果がようやくまとまりました。このテストは、全国の小中学生の学力を定期的に調査・分析し、学校での指導に役立てる目的で毎年行われているものです。教科は算数(数学)・国語・理科の3教科です。
各教科の問題と、その各問別の正答率等をつぶさに見ましたが、「学力低下はここまで進んでしまったのか…」というのが正直な感想です。語彙力、計算力等も想像していた以上に正答率が低かったのですが、一番は、与えられた情報をもとに自分で考えること、数え上げて調べたりする粘り強さ、この部分での力の低下を肌で感じました。
都道府県別に正答率も発表されています。東京都の平均点は全国平均よりもかなり上ですが、最上位というわけではありません。ここ数年ずっとトップを争っている県はどこだかわかりますか? 秋田県と福井県です。今年は同率トップでした。それ以外でも上位にはほとんど東北地方と・北陸地方の雪国が並びます。これはいったい何を意味しているのでしょうか? 冬、外に遊びに行けないので、家で本を読んだり勉強したりする時間が他の地域より長いことは昔から言われています。雪国特有の粘り強さが、テストを解く上でも発揮されるのかも… それ以外にも、教育システム等でも何かヒントがあるのかもしれません。私は不勉強だったので、ちょっと調べてみたいと思います。
ちなみに、東京都の子どもたちの結果ですが、小中学生の6科目のうち、唯一全国の平均点を下回った教科があるのですが、何だか想像つきますか? 中学生の理科なんですね。私は中学生の理科を長年指導していますが、これは実感として理解できます。学習指導要領や中学校での指導法にも問題を感じています。簡単に言うと、実験・観察・作業を重視するあまり、知識を注入しなくなってしまっているのです。暗記を徹底させないと言い換えてもいいかもしれません。(暗記は自分で家でやれということなのでしょうが、覚えるべき素材も提示されません) 私が中学生の頃は、「これだけは覚えるプリント」を何枚ももらって、必死に暗記していた記憶がありますが、今の中学生はほとんどそういう指導を受けていないのです。ただし、入試ではそれが必要となるので、結局塾で詰め込みをせざるを得ない状況になっています。
特に東京都の生徒が一番正答率が低かった問題は、「おたまじゃくしとカエルの呼吸法の違い」を答える問題でした。もちろん「えら呼吸」から「肺呼吸」に変わることを答えればいいのですが、何と3人に1人しか答えられなかったのです。(中3生ですよ!) これはちょっと衝撃でした。当然、両生類に関する理解もないわけです。そういえば、先週の小6の授業で、カエルの子どもがおたまじゃくしであることを知らない生徒がいて、愕然としたことを思い出しました。
東京は自然もなくなってしまったので、田舎の子に較べると生き物と接する機会も少ないのだと思います。私も東京生まれの東京育ちですが、小学生の頃はよくおたまじゃくしを取りましたし、足が生え始めたのを見て、気持ち悪かったけど、そうかカエルになるんだなということを正に実感した記憶があります。そういう意味ではかわいそうだとも言えるのでしょうが、私はそれが原因だとは思っていません。子どもたちに知識を徹底して注入する機会が、昔に較べると減ってしまっているのです。カリキュラムがそうなってしまっていることと、強制力が弱くなってしまっていること、これが「学力低下」の本質です。

