- 2012年10月4日 12:24 PM
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まず栗山監督は、キャンプが始まる前のミーティングで全選手を前にして、「家族を幸せにするために頑張ってくれ」と熱く語ったそうです。このひと言がすごいのは、まだ独身の栗山監督が発していることです。(誤解のないように申し添えておきますが、かなりモテた(る?)そうです。甘いマスクですしね…) キャンプが始まると、練習中は監督の姿を探すのが大変だったそうです。普通の監督は定位置にドッカリと腰を下ろして、全体を見渡して指示をしたりしているのですが、栗山監督は選手の中にドンドン入りこんで、個人的に声をかけたり話をしたりしていたそうです。そこでも技術的な話はほとんどせず(コーチに任せて)、自分はとにかくモチベーションを上げることだけを考えていたそうです。一方で全体の食事の場等にはほとんど顔を出さず、自室で1人で食事をとったりしていました。これも、休憩時間くらいは選手たちにリラックスさせてあげたい、無用の気をつかわせたくないという意図によるものでした。
ダルビッシュ投手がいなくなった穴を埋めなくてはならなかったわけですが、斉藤祐樹投手(あのハンカチ王子です)を開幕投手に指名し自覚を持たせると共に、力がありながら昨年までパッとしなかった吉川投手には、「今年ダメだったら俺がユニホームを脱がせる」と厳しい言葉をかけて覚醒させ、立派な勝ち頭に成長させました。未完の大器と言われていた若き大砲中田翔選手は、どんなに調子が悪くても信頼して4番で使い続けた結果、後半戦の大事なところで大活躍したことは皆さんご存知の通りです。
試合後のコメントでも、普通の監督は、A級戦犯の選手を名指ししたり、選手をある意味意図的にコキ下ろしたりするのですが、栗山監督はいつでも、「負けたのは俺が悪い」「(中継ぎ投手の連投など)酷使してしまって選手に申し訳ない」とコメントしていました。二軍に落とす必要が生じた選手は、自分の部屋に呼んで直接話をしたそうです。ある時、その話をしている最中に部屋から嗚咽が漏れてきました。二軍に落とされた選手の悔し涙かと思いきや、栗山監督が「申し訳ない…」と泣いていたそうです。
今年は、選手たちが口々に、「監督の言う通りにやっていけば勝てる」 「監督を男にしたい」というようなことを言っていましたが、栗山監督の選手を思う気持ちが伝わっていたから自然に発せられた言葉なのだと思います。
後半戦、優勝がかかった大一番でも、ベンチでの表情はとても穏やかでした。西武の渡辺監督や楽天の星野監督の人相の悪さ(失礼!)と、選手がミスした時の「何やってんだよ!」という怒りの表情とはとても対象的でした。そのおかげで、選手たちは委縮せずにのびのびと力を出しきれたのではないでしょうか? 優勝が決まる直前の最後の数試合は、試合中にすでに目がウルウルしていました。「選手たちがたくましくなってくれたのが嬉しくて…」と言っていましたが、こんな監督、今までいなかったと思います。
さらにすごいのは、優勝が決まったら、「あまり感動できていない。次(CSと日本シリーズ)のことで頭がいっぱいで…」と切り替えが早いことです。人情派だけではなく、勝負師でもあるのです。
長々と書いてしまいましたが、今までになかった監督としての手法、そして結果を出す手腕にとても興味を持ちました。私たちの仕事にも参考になる部分があるように思います。同世代でもありますし、応援したくなってしまいました。素人監督(もうこの言葉は失礼かもしれませんね)に率いられた「家族」が、巨大な戦力で固められたジャイアンツを倒すところを見てみたいと思うのは私だけでしょうか?

