- 2026年10月22日 7:06 PM
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過去問の取り組みについての記事への反応が続いています。昨日書いた幼稚園や小学校のママ友たちからが多いですが、本日他塾にお通いの保護者の方からも問い合わせが入りました。入塾前提であれば、いくらでも相談に乗ります。遠くてGSに通えない等、入塾前提でない場合は、有料で相談に乗っています。ママ友たちには、「将来GSへ入塾を検討してよ!」と釘を刺した上で雑談をしています(笑)。
質問で一番多いのは、記述問題についてです。最初は「採点はどうしたらいいの?」ということだったのですが、昨日・今日は、「うちの子はとにかく記述問題が苦手で、いつも点数を落としている」とか、「記述問題の対策で何をやらせたらいいの?」というような話に変わって来ています。お迎えの数分の待ち時間ではとても語れないので、「ブログに書くから読んで!」と伝えています。それにより、ページビューが確実に増えています(笑)。ただし、当然ですが、ブログにすべてを書く訳にはいかないので、最終的には入塾してからお伝えします。(ケチ!)
私は今でも5教科すべて教えていますが、大手塾時代の晩年や、GSの初期は、都立中の作文指導がメインでした。都立中の先生方から直接情報を聞き出し、入試結果を詳細に分析して、点数を取らせるためのノウハウを確立できたと思っています。今は私よりずっと優秀な塾長や校長が、国語や作文を担当しているので私の出番はありませんが、都立高校の推薦入試や、大学入試の総合型選抜の小論文等は私が担当しています。記述の指導も年季が入っているということです。
「選択肢の問題なら正解できるのに、記述問題になると何を書いてよいか分からない」「何とか解答欄を埋めても、まったく点数にならない」「解答例を見れば「なるほど」と納得するのに、自分では同じような答案が書けない…」 保護者の方から様々な不安が届いています。
記述問題が苦手だと、どうしても「文章を書く練習が足りないのではないか」と考えがちです。もちろん、書く練習は必要です。しかし、それ以前にチェックをしなくてはいけないことがあります。それは、問題で何を聞かれているのかを正確に理解し、本文の中から答えの根拠を見つけられているかということです。ここが曖昧なまま、いくらたくさん書いても、なかなか得点には結びつきません。具体的に、記述問題で点数を取れない原因をまとめてみます。
① 記述が書けないのではなく、実は読めていない
国語の記述問題では、本文を読む力だけでなく、設問を読み取る力も重要です。例えば、次のような問いがあったとします。
「主人公が不安を感じたのはなぜですか。本文の内容に即して説明しなさい。」
この問題で求められているのは、主人公の気持ちを想像して自由に書くことではありません。不安を感じた理由を、本文に書かれていることを根拠に説明する必要があります。ところが、記述問題が苦手な子生徒は、設問を十分に読み取らないまま、本文の印象に残った部分を使って答案を書こうとすることがあります。
「今後のことが心配だったから」
「何をすればいいか分からなかったから」
こうした答案は、一見すると間違っていないように思えるかもしれません。しかし、本文のどこにその根拠があるのか、何について説明すべきなのかが曖昧だと、必要な内容が不足してしまいます。そこで、まずは設問の中で、次の点を確認する習慣をつけてみてください。
◯何について答えるのか。主人公の気持ちなのか、行動の理由なのか、出来事の意味なのか。
◯何を説明するのか。理由なのか、変化なのか、具体的な内容なのか。
◯どの範囲を根拠にするのか。本文全体なのか、傍線部の前後なのか。
こうした確認をするだけでも、答案の方向性はかなり明確になります。まず設問を正確に読む。このことをおろそかにしてはいけません。
② 答えの根拠を本文から探せていない
記述問題では、自分の考えを上手に文章にすることよりも、本文に書かれている内容を正確に読み取ることが先決です。特に難関校の入試では、本文の内容を単純に抜き出すだけでは答えにならない問題も多く見られます。複数の箇所に書かれている内容を結びつけたり、登場人物の言動から心情を読み取ったりする必要があるからです。
例えば、主人公が友人に声をかけようとしたものの、結局何も言わずにその場を離れたとします。その理由を問われたとき、本文には「声をかけるのをためらった」とは書かれていても、理由そのものが明確な一文で書かれているとは限りません。その場合は、主人公がそれまで何を考えていたのか、友人との間にどのような出来事があったのか、その場面で何を恐れていたのかを読み取る必要があります。つまり、本文の中から答えを探すといっても、必ずしも答えそのものが一か所に書かれているわけではないのです。
本文に書かれている事実と、そこから読み取れることを区別する。これが、記述問題を解く上で重要なポイントです。家庭で復習するときも、「どうしてそう思ったの?」と聞くだけでなく、「本文のどこを読んで、そう考えたの?」と聞いてみてください。根拠を説明できるようになることは、記述問題だけでなく、選択肢問題の正答率を高めることにもつながります。
③ 語彙力が足りなくて表現できない
一番多いのはこのケースかもしれません。頭の中に何となく書くべきことが浮かんでいても、それが言葉として表現できないのです。見分けのポイントは、書こうとしていることをしゃべらせてみた時に、「あの、あの」とか「えーと、えーと」という言葉が多くなるのですぐわかります。都立中の作文において、このことは顕著に表れます。私立中の国語の記述や、高校入試の作文などは、本文の中から抜き出す部分も多いですし、あちこちにキーワードがあるので、あまり問題にならないのですが、都立中の自由作文問題は、すべて自分で表現して行かなくてはならないので、語彙力が足りないと苦しいです。「体験格差」によっても影響が出てしまうのですが、ここはどこの塾でも「体験ストック」を作らせて、書き方まで暗記してテストに臨むので、何とか凌げるようになります。
④ 模範解答を写すだけでは、記述力は伸びない
記述問題の復習では、模範解答を読んで終わりにしてしまうことにも注意が必要です。模範解答を読めば、何を書けばよかったのかが分かります。自分の答案に足りなかった内容にも気づくでしょう。しかし、それだけでは、次に似た問題が出たときに自力で書けるとは限りません。大切なのは、自分の答案と模範解答を比較し、何が足りなかったのかを具体的に把握することです。具体的には、次のような点を確認してみてください。
◯設問で求められていることを取り違えていなかったか
◯本文中の根拠を正しく見つけられていたか
◯必要な要素が答案に含まれていたか
◯要素同士の関係を正しく説明できていたか
◯字数制限の中で、必要な内容を過不足なくまとめられていたか
足りなかった部分を確認したら、もう一度、自分で答案を書き直してみることです。ここまで取り組んで初めて、復習が次の得点につながりやすくなります。最初から模範解答のような答案を書ける必要はありません。自分の答案のどこに問題があったのかを一つずつ理解し、改善していけばよいのです。
⑤ 記述問題は最後に対策をすればいいと思っている
記述問題が苦手な生徒のほとんどは、選択肢問題を中心に勉強し、記述問題は後回しにしているケースもあります。残念ながら、記述力は入試直前になって短期間で身につけようとしても、簡単には伸びません。設問を正確に読み取る力、本文から根拠を探す力、複数の内容を整理する力、そして相手に伝わる文章にまとめる力。これらは、日々の学習の中で少しずつ身につけていく必要があります。だからといって、毎日大量の記述問題を解けばよいというわけでもありません。大切なのは、一問一問について、どのように考え、どこで間違えたのかを振り返ることです。正解した問題でも、根拠が曖昧だったのであれば、本文に戻って確認する必要があります。反対に、間違えた問題でも、何が不足していたのかを理解できれば、次につながる経験になります。
記述問題は、勉強の成果が見えにくいと思われることがあります。しかし、読み方や考え方を一つずつ身につけていけば、改善できる部分は確実にあります。焦ってたくさん書こうとする前に、まずは一問一問の解き方を丁寧に見直してみてください。
⑥ 採点・添削を正確にしていない
前回も書きましたが、記述問題は自分で(保護者も)採点をしてはいけません。塾で講師に採点・添削をしてもらってください。自分が書いたことが良いのか悪いのかの判定を正確にしないと、内容の改善のしようもありません。それこそ、1つの問題を書き直して3回も4回も見てもらうことはざらにあります。それを繰り返すことによって、記述力が上がって行きます。上で述べたようなポイントをしっかり確認できたら、あとは書く量を増やして、どんどん添削をしてもらうことです。この時期の国語・作文の講師たちは、数日で赤ペンを使い切る(大袈裟!)くらいの気持ちで待ち構えています。
⑦ 最後に残酷な真実
これだけ記述の対策について書いた後に何なのですが、もっと根本の部分で考えていただかなければならないことがあります。それは、記述力は机の前での取り組みだけでは伸びないということです。
記述問題が苦手だという生徒(男子に多い)は、大人と会話がまともにできない場合が多いです。話をしていても、単語の羅列だったり、下手をすると「あー、うー」しかしゃべらなかったり… 挨拶をできない生徒もいます。面談で話を伺うと、家庭での親子の会話があまりないことがわかります。読書習慣の有無も影響しているかもしれません。
あと1つ気付いてしまったことがあります。記述が苦手→会話ができないという生徒の保護者の方(特にお母さん)は、よくしゃべる(しゃべり過ぎる)方が多いということに… 三者面談で話をしていて、本人に質問したことをお母さんが拾って代わりに答えてしまったり、いろんなことを先回りしてやってあげることが当たり前になっているご家庭の割合も高いような気がします。どっちが原因でどっちが結果かわかりませんが、子どもが考えて話をする機会を奪っていて、結果として成長を妨げてしまっていること、そしてそのことについて保護者の方が自覚がないことが大変大きな問題だと感じています。
記述問題を得意にするためには、小さい頃からのご家庭での会話の量と質がとても重要です。本人が、自分が考えたことをきちんと言葉にして発する習慣を身に付けて行かないと、受験期に記述問題で苦労するのは、ある意味必然です。それに加えて、本を読むことが当たり前の家庭で育った子どもは、国語が得意になる場合が多いです。保護者の方の読書習慣、家庭の(子どもが読める)蔵書の数も影響があるでしょう。当然、語彙力への影響もありますが、それが将来の記述力に直結して行きます。
お子様の記述力を伸ばしたいのであれば、まずご家庭でしっかり会話をすることに取り組んでください。時間がかかっても子どもにしゃべらせて、保護者の方が我慢して待つことが重要です。ここがまったくできていない状況で、受験学年になってから「うちの子は記述力がないので、何とか鍛えてもらえないでしょうか?」とおっしゃるのは勘弁してください。塾としては精一杯できることはやりますが、なかなか本質的な部分の改善には繋がらないのが現実です。
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