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支給型奨学金がいよいよ始動!<その7>

  • 投稿者: gs_staff
  • 2016年11月1日 2:12 PM
  • 未分類

昨日のブログの内容について、何人かの方からご質問をいただきました。私の文才が足りないために、誤解を与えてしまった側面もあるようなので、ご質問にお答えする形で再度考えをまとめます。

〇才能を多面的に伸ばしてあげる必要があるのはその通りだと思いますが、小学生くらいの段階で将来の可能性まで踏まえて素質の有無を判断できるものなのでしょうか?
→確かにその通りだと思います。私がお伝えしたかったことは、小中学校においては、勉強を頑張った子はそちらで評価すればいいし、勉強が苦手であっても、スポーツや芸術が得意な子はそちらで称賛されるべきだし、学力という狭い1つの基準がすべてだというような方向性は改めるべきだということです。
そう考えるようになったきっかけは、ある保護者の方から、「うちの子は勉強が苦手なのですが、足がとても速くて、運動は何でも得意にしています。しかし、運動会でかけっこの順位をつけなくなってしまい、学校での自分の居場所がなくなってしまった感じで、何に対してもやる気をなくしてしまいました。それ以降、勉強で頑張らないと評価されない、自分の価値がないと思い込んでいるようです」という話を伺ったからでした。
確かに今の世の中では、将来の選択の幅を広げるという意味でも、学力・学歴はないよりもあった方がいいことは間違いありません。ただし、それを国の施策として(税金を使って)、みんなが大学に進学できるように…という後押しをするのは、ちょっと違うと思うのです。

〇お金がないという問題は、子どもにはまったく罪がないはずです。本人は勉強を頑張りたくて意欲もあるのに、家庭の経済的な理由により大学に進学できないというような子どもを救うのが、なぜダメなのでしょうか?
→今回の政策は、それに当てはまらないと考えています。支給型奨学金も貸与型第一種(無利子)奨学金も、基本的に「住民税非課税家庭」であることが支給要件となっています。また、一昨日のブログで書いた制度変更については、高校の評定平均が3.5に届かない生徒についての議論です。もちろん、どの高校に在籍しているかにもよりますが、一般的には高校の評定で3.5を取れない生徒は、大学での学習を普通にこなして行くのは難しいはずです。
来年度からスタートする、「私立小中学校に通う場合の補助金」についても同じことを感じるのですが、それだけ生活が困窮している家庭の子どもを、私立の小中学校や大学に進学させることが正しいのだろうか?ということです。その奨学金によって一時的には助かるわけですが、例えば大学に進学する場合の支給額は月に3万円です。それだけでは当然大学の学費は賄いきれませんし、住民税非課税世帯が、それ以外の費用も含めて負担をしきれるとはとても思えないのです。

非常に分かりやすく書いてしまうと、今回の制度改革は非常に中途半端だということです。「帯に短し、たすきに長し」で、本当に支給型奨学金を必要としている子どもには行き渡りません。本当に住民税非課税世帯にまで支援をするのであれば、月に3万円と言わず、全額負担すればいいのです。ただし、その場合はもっと厳格な学力・意欲の要件が必要であることは言うまでもありません。
(次回に続く…)

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よしだ 2016年11月3日

10年ほど前に「希望格差社会」という言葉がでてきているように、そもそも親の経済力によって子供の学習意欲の格差が生じています。そうなると、「意欲」という要件を定めることで経済的に不利な立場にある子供を排除することになります。
また、すでにご覧になっていると思いますが、お茶の水大の研究グループがまとめた「全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」では、小6の段階で、親の社会経済的背景を4段階にわけた一番低いグループの子供は1日3時間以上勉強しても、一番高いグループの全く勉強しないと答えた子供よりも(平均すると)得点が低くなっています。
学力と体力の関連で見ても、(東京都の場合)学力と体力と親の経済力は正の相関があり、勉強は苦手だけどスポーツは得意、という子供のことを考えるよりも、勉強もスポーツも苦手という子供について考える方が、より多くの子供の現実に寄り添えると思います。(芸術については手元にすぐ出てくるデータがないのですが、文化資本について考えれば、経済的に豊かな家庭の方がより芸術に触れる機会が多く才能に気付きやすいと考えるのが自然だと思います)

後藤さんの豊富な経験に基づく記事には気付かされることも多く、楽しく読ませていただいております。長々と失礼いたしました。

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