- 2013年1月21日 10:41 AM
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民間企業で大きな実績を上げたからと言って、学校の校長として成果を上げられるとは限りません。組織マネジメント能力に長けていることはもちろんですが、教育者として子どもたちへの愛情を持ち続け、学校組織の表と裏に精通し、PTAや地域と関係をうまく築くことができて、教委ともある場面では対峙できるような人物でないと、大きな成果は残せません。
民間人校長としては、杉並区和田中で校長を務めた藤原和博さんがよく取り上げられますが、あの方は別格中の別格です。民間企業(リクルート)での経験・実績はもちろんですが、教育者としても、前述した様々な問題に対して、バイタリティ持って、ある時は教員や教委とやり合いながら、周囲の信頼を勝ち取っていくことができました。地域の大人たちを巻き込んだ「よのなか科」や、土曜の寺子屋授業(通称ドテラ)、塾の講師による補習等、当時の公立中学校としては、斬新な(見方によってはとんでもない)改革を次々と成し遂げていったのです。
しかし、民間人校長登用が必ずしもうまくいっているわけではありません。民間企業では、皆さんそれなりの実績を持っている方ばかりですが、企業と学校の違いに戸惑い、あるいは暴走し、様々な問題も噴出しています。つい最近のことですが、私の塾の地元八王子にある都立高校の校長が「クビ」になりました。昨年の入試の際、合格発表前に知人に合否結果をメールで伝えたことが公になったのです。私も一度お会いしたことがありますが、この方は、元東京電力の部長職にあり、鳴り物入りで民間人校長として任用された方です。公務員としての規範意識に欠けていたわけですが、民間の企業では(あるいは私立高校では)許されることが、公立の高校では許されないという当たり前のギャップの前に、職を失い、社会的制裁を受けることになってしまいました。
もう10年近く前のことになりますが、広島県尾道市の小学校で校長が自殺しました。この方も民間(銀行の幹部だったと記憶しています)からの登用でしたが、学校という組織に馴染むことができず、命を落とすまでに追い込まれてしまいました。直接の引き鉄は、国旗の掲揚を巡って教委と現場の教師に挟まれ、上からも下からも突き上げられたことが原因だと報じられました。その後の報道で、周囲のフォローがまったくなく、孤立無援状態になっていたという話もありました。
前出の藤原さんは、和田中の校長を辞した後、大阪府で知事時代の橋本さんのブレーンとして仕事をされていたこともありますが、「民間人校長の半分以上は失敗だった」とコメントしています。このことからも、いかにハードルが高いかが分かるのではないでしょうか?
昨日書いた通り、大阪市でこの4月から民間人校長たちが着任します。平均年収は1000万近いそうです。この方たちが作成した、「校長になったら新たに作りたい科目」案の一覧を見ました。「親直し科」「遊ぶ科」「楽しんでる科」「やってみる科」「いいかげん科」「だいじょうぶ科」… 名前だけ見る限り、???ですが、今後の成果に注目したいと思います。
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