- 2012年11月21日 12:41 PM
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昨日まで1週間に渡り、いじめについて私の考えを書いてきました。この間、GSの保護者の方はもちろん、外部の方からもリアクションがありました。様々考えさせれたとか、もっと大人がしっかりしなくてはならないと思ったとか、子どもを守れるのは最後は親しかいないとか、皆さんがこの問題に真剣に向き合っていること、そして保護者の方からは子どもに対する愛情がひしひしと伝わってきました。
その中で、昨日書いた「無条件の承認メッセージ」について教えて欲しいという声がありましたので、今日はそれについて解説したいと思います。この考え方は、心理学・カウンセリングの理論に基づいています。私も大学の教育心理学の講義で少しかじったた記憶がありますが、正式に体系立てて勉強したのは、カウンセラーの資格を取得するために勉強した時です。
親は子どもが生まれた時から、様々なメッセージを送っています。これを専門用語では「ストローク」といいます。ストロークは、他人の存在を認め、その存在を認めたことを表す言動です。赤ちゃんの時には、ただ抱きしめてあげるとか、撫でてあげるとか、身体で表現するストロークから始まり、そのうち、笑顔を見せるとかうなずくとか、視覚を中心としたストロークが加わってきます。そして、3歳~4歳くらいを境に、言語によるストロークの割合が増えていきます。
このストロークを考える時に重要な点が2つあります。1つは、ストロークにはプラス(肯定的)なものだけでなく、マイナス(否定的)のものもあります。身体的なもので言えば、ひっぱたくとか蹴飛ばすとか暴力的なものです。非言語のもので言えば、睨むとか見下すとかが、言語的なものでは、文句を言うことや罵倒することがここに含まれます。もちろん、子どもたちは(特に親からは)プラスのストロークをもらいたがっているのですが、心理学的に言うと、「特に小さな子どもは、ストロークが何もないよりはマイナスのストロークの方を求める」と定義されています。つまり、親に無視されること、無関心な態度を取られることが一番つらいのです。それよりは叱ってもらった方がなんぼかまし、ということです。子どもが、親の気を引こうとしていたずらしたり、特に兄弟げんかをふっかけるのは、この理論で説明することができます。
もう1つ、このストロークには(プラスのものもマイナスのものも)、条件つきのものと無条件のものがあります。例えばプラスのストロークで言えば、いい子にしていたらおこづかいをあげるとか、テストで良い点数を取ったら褒めてあげるとか、これは条件つきのプラスストロークです。条件つきのマイナスストロークは、悪いことをしたら叱るとか、〇〇しないとぶっとばすぞ!というようなものです。
この段階でだいぶ話が見えてきたのではないかと思います。子どもが親の愛情を本当に感じるのは、無条件のプラスのストロークを与え続ける中で、(子どもが納得する)条件つきのマイナスストロークを適度に与えられている状態なのです。例えば、テストで良い成績を取った時に褒めるのはいいのですが、悪い点数を取った時に叱られることが続くと、「お母さんは勉強のできる僕が好きなんだ」と思い込み、「成績が悪くなったら僕の存在価値がない」というような思いをどこかで持ってしまいます。また逆に(矛盾するように感じる方がいるかもしれませんが)、悪いことをしたのに叱ってくれないと、自分が疎外されたように感じてしまうこともあるのです。
子どもが生まれた時には、「あなたがいてくれるだけでお母さん(お父さん)は幸せ」と心の底から感じたはずです。無条件のプラスのストロークもたくさん送ったことでしょう。しかし、小学生、中学生と成長していく中で、(特にお母さんが)成績を上げて欲しい、いい学校に入って欲しい、もっと言えば自分の思い通りに育って欲しいという思いが強くなってしまい、条件つきのプラスストロークが多くなり、あげくの果てには、子どもと顔を合わせるだけで無条件のマイナスストロークを送ってしまうようになってしまったり…
子どもを叱るべき時は叱っていいのです。それができない家庭では、子どもが何らかの問題を抱えてしまう可能性が高くなることが統計的にも明らかになっています。ただ、その前提に「無条件の承認」がないと、子どもが思春期を迎えた時に、「こんなはずじゃなかった…」ということになってしまうのではないかと、私は心配するのです。
- 新しい: 読売オンラインより
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コメント:0
- 子育てママ 2012年11月21日
一読、率直に「ぎくり」としました。
我が身を省みると「生まれてくれてありがとう」という気持ちは持ち続けているはずなのに、気づけば子供に「見返り」ばかりを求め、書かれているところの、「条件つきストローク」ばかりになっていたところがあると思います。反省です。。明日、11月22日は「良い夫婦」の日とされていますが、良い夫婦とは、授かった子供を、「まず」無条件に承認してあげられる夫婦のことなのかもしれませんね。これを良い機会に様々考えようかと思います。また、うちの子供が楽しそうに通っている理由も納得できた気がします。塾同様に、家庭も「より居心地の良い場所」にしてあげたいと思います。
それにしても、不躾な言い方で申し訳ないのですが、意外とカウンセリングってしっかりしてるんですね。もっと精神論的な「信じる者は救われる」の世界かと思っていました。しっかりとした理論の上に立脚しているとは思いもしませんでした。後藤先生が資格をお持ちなのも知りませんでした。今度様々お伺いさせてください。(笑)- gs_staff 2012年11月21日
後藤です。コメントありがとうございます。
そうなんです。世のお母さんたちは、皆さん「条件付きストローク」がとてもお好きなようです。(プラスもマイナスも)
これを機に、様々なことをご家庭で考えていただけると、とても嬉しいです。成績や志望校合格はもちろん重要ですし、それを達成することが我々の使命でもありますが、ご家庭では、無条件のプラスストロークをどんどん与えてあげて欲しいと思います。
カウンセリングはいつでもお待ちしています。もちろん、GSの保護者の方のご相談は無料です。(お子様に関することで、常識的な範囲であれば…)

