- 2014年5月17日 8:26 AM
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「一生に1回しかない大事な入試でそんなミスをするなんてあり得ない。もっとしっかりやってもらわなきゃ困る!」と憤りを感じる方も多いのではないかと思います。お気持ちは分かりますし、その通りではあるのですが、私は少し違う感じ方をしています。
採点・集計・掲示作成等を人間がやっている以上、ミスは出ます。事前の準備や職員の意識改革、複数の手でチェックをかける等の対策によって、その確率を今よりは下げることはできるでしょう。(確かに今はちょっと酷すぎます。学校による差が大きいのですが…) しかし、どんな対策をしてもミスを0にすることはできません。
私はこの業界では、採点ミスがとても少ない方だと思います。特に公開テストや、過去問の採点をする時は、集中力が自然と高まるのを感じますし、集計を2通りの方法で確認することが癖になっていたりして、27年間を振り返っても、ミスを指摘されたことは「ほとんど」記憶にありません。しかし、0ではないのです。何百枚、あるいは何千枚に1枚かは出ていますし、生徒が指摘しないために気付かなかったミスもあることでしょう。
入試の本番でも、毎年ミスは相当あるのです。私が直接関わった生徒の中だけでも、ちょっと思い出すだけで酷い事例をいくつも思い出します。その中でも特に酷かった事例を2件ご紹介します。
〇私立高校の単願推薦で合格が「約束」されていた生徒。(一昔前は、秋の時点で正に確約が出ていて、本番は名前を書いて来さえすれば合格がもらえるようなケースが多々ありました) 本番はそれなりにやって来たのですが、合格発表を見に行ったら自分の番号がない。塾に不合格だという電話が入ったので、そんなはずはないから事務室に行って、自分は単願だということを言えと指示して本人が言いに行ったら、先生も含めてしばらく調べていて、「ごめん、ごめん、間違えだった。きみは合格だった」と言われた。
→おかしいと主張しなかったら、そのままになっていたのでしょうね。単願だからそれができたわけですが、一般受験で不合格の場合、なかなかそんな勇気は出ないですよね。
〇私立高校の併願確約をもらっていた生徒。こちらも、入試本番でよほど酷い点数を取らなければ合格にすると約束されていた。しかし、当日高熱を出して止む無く入試を欠席。翌日、その高校から合格発表の通知が郵送で送られて来た。入試に行かなかったのだから、当然不合格で来ていると思って中を開いてみたら、何と合格! ご丁寧に、手続き書類も同封されていたそう。中学校を通して高校に確認してもらったところ、事務的なミスだと判明。何でも、併願確約の生徒は、事前に合格通知をすべて用意しておくのだそうです。欠席者等は不合格通知に差し替えて郵送することになっていたそうですが、そこで漏れたとのこと。
→滑り止めがなくなってしまっていたこともあり、一瞬そのまま手続きさせてしまおうかと考えました。たぶん、何の疑問もなく手続きできちゃったのでしょうね。さすがにそれはさせられなかったですが… その生徒は、その後第一志望校に合格したのでギャグで済みましたが、考えようによっては、とても怖い話ですね。
私は、私立中高の入試の採点や合格判定会議に何度か臨場させていただいたことがありますが(あくまでも「臨場」ですよ)、採点や集計のやり方を見ていて、はっきり言ってしまうと、「そりゃミスは出るよな…」と感じた場面が何度もあります。1つ例を挙げると、集計をエクセルでやっていて、並べ替えを不用意にやっているために、受験番号(受験生の名前は隠されていた)と点数がズレてしまったり… その時はさすがに先生が途中で気付いてやり直していましたけど… 特に私立中学の入試などは、午前中に入試をやって、当日の夕方に合格発表というようなケースが多いのです。先生方も焦るでしょうし、私はミスが出ない方が不思議だと感じているくらいです。
何をお伝えしたのかと言うと、入試の採点・集計で、ミスは毎年かなりの数ある(であろう)ということです。どんなに理想論を振りかざしても、ミスが0になることはないのです。そのことを前提に話を進めていかないと、この問題の議論はおかしな方向に進んで行ってしまいます
私は、いじめ問題についても、同じことを強く感じています。「学校現場でいじめは絶対にあってはならない!」 「いじめを0にするための施策が甘すぎる!」というような論調を今でも多く見かけます。もちろん、そのこと自体は間違っていませんし、私もそのことを否定するものではありません。しかし、世の中からいじめはなくならないのです。どんなに対策を立てても、0にすることはできないのです。現在の文科省や教委の取り組みを見ていて、そこの部分の組み立てを間違えているために、子供たちを不幸にしてしまっているように感じています。「いじめは今より減らすことはできても、なくなることはない」という前提で取り組んでいる事例を、少なくとも私は見たことがありません。
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- 都立高校の入試で採点ミス続出…<その3> - GS進学教室 より

