- 2013年9月26日 10:39 AM
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我が国では、高齢者の割合が一気に高まっています。現在65歳以上の方の割合は全体の4人に1人ですが、20年後には3人に1人、40年後には限りなく2人に1人の割合まで近づいていく予測です。
社会福祉等、特にお金の面で限界が来ることは明らかで、当然、国としても対策を考えているわけですが、最近発表になっている政策を見ていると、どうもその方向性が間違っているとしか思えないのです。
先週厚生労働省が発表した改正案を見ていて、愕然としてしました。いくつかあるのですが、一番衝撃的だったのは、老人ホームの入所条件についてです。2015年度から、特別養護老人ホーム(いわゆる特養)の入居条件を、「要介護1以上」から「要介護3以上」に引き上げるというのです。簡単に言うと、入所基準を上げて、対象者を減らそうということです。
現在、特養は全国に約7500施設あり、約50万人の定員がありますが、希望者が100万人近くいるため、順番待ちとなっている施設も多く、なかなか入所できない状況になっています。完全看護の上、費用も保険がきくため、他の民間の施設等と較べるとかなり安く済み、当然人気も高いわけです。
今後さらに高齢者の数が増えてくるため、ここの問題の解決が急務だったわけですが、施設を増やすという方向性ではなく、入所基準を上げるという暴挙に出ました。国のお金が足りないというのはその通りなのですが、これではあまりにも「人にやさしくない政策」だと言われても仕方ないでしょう。
私の母親は晩年、「要介護1」の状態でした。一番軽い度合いだと思っている方が多いと思いますが、その前に「要支援」という段階が2段階あるので、全部で7段階のうちの3番目の段階です。分かりやすく言うと、「1人で家にはとても置いておけない状態」です。1人で歩くのは難しいですし、まして階段や坂道は命の危険すら伴います。もちろん、自分で買い物に行ったり、食事を作ったりすることはできません。「自分1人でトイレに行く」、「目の前に置かれたものを食べたり飲んだりする」ということが、何とかぎりぎりできる状態です。(お風呂は難しい…) 限りなく寝たきりに近い状態で、少しの距離でも歩くには、絶対に介助者が必要です。
こんな状況の方は全国でかなりたくさんいるわけですが、その方々が特養から閉め出されてしまうわけです。家には置いておけないので、それ以外の民間の施設等を探すことになるわけですが、簡単に言うと、支払う費用が2倍以上になるイメージです。私の母親は、運良くタイミングが合って施設に入れることができて、会社を辞めた後も何とか支払いができるレベルでしたが(介護保険と雇用保険のおかげです…)、保険がきかない施設だったら、とても払える状況ではありませんでした。もちろん、家で個人的にヘルパーさん等を雇う場合でも、同じような状況ですし、それではできる介護にも限界があります。あのタイミングで「要介護1」が閉め出されていたら…と思うと、ちょっとゾッとします。GSを設立することもできていなかったでしょうし、大袈裟に言えば、親子2人で野垂れ死んでいた可能性だってあります。(こればっかりは、その立場になった人でなければ、分からないでしょうね)
高齢化対策は、費用の捻出をすることだけではないはずです。人(特に弱者)にやさしくない福祉政策は、すべて間違っていると私は思います。厚労省は、「必要性が高い方を優先するためで、止むを得ない」というコメントを出していますが、少なくとも、介護が必要な者を1人抱えている家族がどんな状況になっているのか、今後どうやって生きていくのかということへの想像力は、持った上で仕事を進めて欲しいと切に思います。
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