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調布市の問題に学べ2

  • 投稿者: gs_staff
  • 2013年4月24日 12:40 PM
  • 未分類

調布市では、昨年の12月に小学校5年生の女子児童が給食でアレルギーを持つ食材を食べて、アナフィラキシーショックによって亡くなってしまうという痛ましい事故が起きています。これも大々的に報道されたので、記憶にある方も多いと思います。市教委は会見で、「2度と同じ問題は起こさない。対策を徹底する」というコメントを出しました。

しかし、先週調布市の小学校でまた同じ問題が起きてしまったのです。小学校1年生の給食の時間(この日が初めての給食だった)に、牛乳アレルギーを持つ児童が、牛乳を飲んでしまいました。幸い大事には至らなかったようですが、牛乳はこの生徒にとって除去食品に指定されているものだったので、また大きな事故につながってもおかしくない状況でした。

担任教師も、その生徒に牛乳を飲ませてはいけないことは把握していました。その児童の分の牛乳は教室に届いていませんでした。しかし、教師の分が渡ってしまい、教師が気づいた時はもう飲んでしまった後だったそうです。担任教師は「他の児童の対応をしていて注意が不足してしまった」と、教委は「再発防止に取り組む中で許されない失態。対策を取って改善につなげたい」とそれぞれコメントを出しています。

皆さんは、ここまで読んでどうお感じになるでしょうか? 世間では、いったい担任教師は何をやっているんだ!」とか、 「命の重さを分かっていないのか!」という論調が多いようですが、私はどうしても担任の先生を責める気になれないのです。それは、前回の死亡事故を受けて、市の教委が出した「事故の要因と対策」に???と感じていたからです。

前回の事故を受けて、市教委の教育部長を座長とする検証委員会が設けられ、68ページにも及ぶ膨大な報告書が提出されました。私はそれをすべて目を通しましたが、正直「これは最悪だ。また同じことが起こるかもしれない…」と感じました。残念なことにその懸念が当たってしまったわけですが、私がなぜそう感じたのかを以下に記します。

以下検証報告書からの抜粋

~冒頭部分より~
「児童・生徒の命を預かっている学校の全教職員は、食物アレルギーのある児童・生徒について一人ひとりの状況を把握し、研修による知識の習得はもちろん、日常の訓練も行いながら常に危機管理意識と緊張感を持つ必要がある。そして、そのための努力を惜しんではならない。」
「今回の事故は、女の子が担任に気分が悪いと訴えてから14分間における対応が生死の分かれ目になっている。わずかな時間の中で多くの者が夢中になって駈けずり回りながら、無我夢中でできる限りをつくしている。(中略)しかし、一人の女の子の命を守れなかった。これは事実である。誰かを責めるのではなく、その場に居合わせた一人ひとりが、どうすれば女の子の命を守れたのかを考えて欲しい。」

~事故発生の要因~
1.チーフ調理員が児童に除去食を伝えていなかった。
2.担任が除去食一覧表で確認しなかった。
3.保護者が児童に渡した献立表に除去食のマーカーを引いていなかった。
4.担任が初期対応を誤った。
5.養護教諭が初期対応を誤った。
以上の内一つでも実施されていたら、女の子の命を守れたのではないかと考えられる。

いかがでしょうか? 私は、事故発生の要因に関する部分については、読んでいて怒りすら覚えました。簡単に言うと、市教委が事故を学校や個人の責任にしたいという考えがありありと見て取れて、非常に不快な思いを感じたのです。報告書の中で、子どもを亡くした保護者のミス・責任にも言及するって、どういうつもりなのでしょうか?

市教委は報告書の中で、今後どうすればこういう事故をなくせるかということについて、かなり細かいところまで規定しています。「これをこの通りにやれば、絶対にアレルギーの事故なんて起こらないぞ!」というようなニュアンスも伝わってきます。しかし、同じような事故が再発してしまいました…

私はどう感じているかと言うと、学校現場(校長や先生方、調理員、保健の先生等)は、かなり危機感を持って取り組んでいるし、市教委が出しているガイドラインに沿って、日常の業務を真面目に遂行しようとしていると思います。先週の牛乳誤飲についても、当該生徒に牛乳を渡してはいけないことは理解していました。しかし、小学校一年生の初めての給食の時間のゴタゴタの中で、管理しきれなかったのです。
配膳担当の児童に、「〇〇さんに牛乳を渡さないでと伝えること」、「いただきますをする前に、除去食が渡っていないことを担任教師が確認すること」が、市教委の出しているマニュアルです。その指示を守らなかったことを市教委は問題̪視しています。ちょっと待ってください。一年生のこの時期の子どもに、そんな指示が通ると思いますか? まだお互いに顔と名前が一致しないかもしれません。先生は、「配膳が終わって自分の分の牛乳が足りないので、該当児童に渡ってしまっていることに気づき、回収しようとしたらもう飲み始めてしまっていた」と話しています。まだ給食に慣れていないこともあり、当然そんな状況になってしまうことは、想像できる範囲内でしょう。
市教委が、現場への想像力を著しく欠いていて(あるいは分かっていながら)、理想論・あるべき論を振りかざし、学校や一教職員に責任を押しつけています。報告書でも、「〇〇は~することになっている」 「〇〇は~と決めてある」というような表現が多く、他人事でアリバイ作りをしているようにしか読めない部分が多いのです。現実的にアレルギー事故を防ぐためにどうしたらいいのか、もし起こってしまった時に誰がどういう行動を取ればいいのかがまったく見えてきません。

私は、2つしか方法はないと思います。1つは、できないことはできないとはっきりさせて、学校現場で責任を取ることを放棄してしまうことです。給食を止めるのも一例です。保護者が責任を持ってお弁当を用意すれば、こんなことは起こりません。事情があってお弁当を作れない家庭があるからとか、特に小学生はお弁当の内容によって差別につながるからとか、様々な給食絶対必要論がありますが、アレルギー事故のリスクと天秤にかけて再度議論する余地はあると思います。
2つ目は、アレルギー対応が必要な生徒について、絶対に除去食が渡らないシステムを構築することです。例えば、該当の生徒だけは調理室に行って直接調理師から受け取るとか(おかわりも含めて)、低学年等必要なクラスについては、配膳の時間だけ生徒のアレルギーの状況を把握した補助の人員(手の空いている教師や事務職員等)が必ずつくようにするとか、いくらでも方法はあると思います。
調布市の対策を読んでいると、「教職員の意識の改革」、「配膳の際の徹底」、「除去食が渡っていないかを再確認」等、あまり意味がないことが羅列されています。担任のマンパワーのみに頼っていることも含めて、実行性がないこと、何か他でトラブルが起こった時に漏れが生じてしまうことは抜本的な対策にはなりません。

とにかく、今後他の学校(調布市以外)も含めて、不幸な事故が1件も起こらないことを切に願います。そのためには、この調布市の事例を各自治体で教訓として、抜本的な対策を立て直す必要があると思うのですが、いかがでしょうか?

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