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2012年11月のアーカイブ
大学不認可問題についてその2
- 2012年11月8日 11:05 AM
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昨日の文科委員会を帰宅してからビデオで見ましたが、田中大臣が野党はもちろん民主党内部からも突き上げられて、5時間に渡る攻防の末、最後は後ろに控えていた官僚に促されて渋々認可したという状況でした。強硬に不認可を打ち出した手前、引くに引けなくなってしまったということだと思いますが、大学側が行政訴訟まで視野に入れていて、訴訟になれば文科省の敗訴がほぼ見えていたため、大臣以外は全員撤回を進言していたそうです。いずれにしても、大学側・受験生への被害が最小限に済んで良かったと思います。
それはそれとして、田中大臣が今回なぜあんなに強硬に大学設立に待ったをかけたのかを考えてみたいと思います。
私が思うに、近年、大学生の数が一気に増えすぎてしまいました。私が子どもの頃は(いつの話だ!?)、大学進学率は25%程度でした。「大学に進めるのは4人に1人だから、大学に行きたいなら頑張って勉強しないとダメだぞ」という話を学校の先生から聞いた記憶があります。それが今は、4年生の大学だけで進学率50%を超えています。2人に1人が大学生になれる時代なのです。今後も大学が増え続けると、少子化の継続もあり、さらに進学率が上がる見込みが立っています。昨日書いた通り、定員割れの大学が急増し、大学側も生き残りをかけて、AO入試等で何でもありで(学力が伴わなくても)学生を確保し、結果、勉強しない大学生がはびこり、大学教育の質も低下してきたのです。
私の感覚だと、今本当に将来やりたいことがあったりして、大学で自分なりの目標を持って勉強やスポーツに取り組んでいる学生は(大学生の)2割程度だと思います。残りの半分は、まぁそれなりにやっている学生。最後の半分(つまり全体の4割程度)は、ただ大学生になってはみたものの、勉強もほとんどせず、サークル活動やバイトに勤しんでいるいる学生はまだいい方で、何の目的もなく4年間を過ごしてしまっている学生も多いと思います。だから、以前に書いた就職率60%というのは、あながちおかしな数字ではないと私は感じています。
今の日本は、大学に行く必要がない学生まで進学してしまっているのです。少子化にもかかわらず、大学をどんどん増やしてしまったために、(希望すれば)誰でも大学生になれるようになってしまったからです。結果、大学はレジャーランドと化し、大学は出たものの…という状況が生み出されてしまいました。この状況を打破するために、大学の数を減らそうという動きがあります。田中大臣が言い出すまでもなく、文科省は全体とししてはその方針の元に様々準備を進めています。(経営的に苦しい大学、杜撰な大学を放置すると、大きな問題が起こってくることは昨日書いた通りです) ただ今回は、田中大臣があまりにも乱暴すぎたために、問題が違う意味で表面化してしまったわけです。
私も、大学は一定社会に出るまでの猶予期間を保証する場所であっていいと考えています。何も大学生は勉強ばかりしていろと言っているのでなく、スポーツやサークル活動、アルバイト、ボランティア、その他社会勉強をどんどんするべきだと思います。しかし、その大前提として、最低限の勉強をする必要はあるし、高い学費を親に払ってもらって、(私立であっても)税金を使って、社会に出る前の準備期間を過ごしているという自覚を持って、様々なことに意欲的に取り組むことが必要です。極論かもしれませんが、勉強したり自己成長に時間を使う気があまりないのであれば、大学に行かずに、少しでも早く社会に出るか、専門学校にでも行って手に職をつけた方が長い目で見て幸せになれるのではないでしょうか? 一昔前と違って、(一部の難関大学を除いて)4年制の大学を出ることが、社会で優遇されるパスポートにはなりません。
次回は大学側に視点を置いて、現在の問題を掘り下げてみたいと思います。
(次回に続く…)
追伸
- 2012年11月7日 5:37 PM
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先ほど田中大臣が委員会の中で、「3つの大学については認可する」と発表しました。関係者の皆様、良かったですね。
まさか、大臣が私のブログを読んだから…というわけではないと思いますが。(笑)
大学不認可問題についてその1
- 2:34 PM
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田中真紀子文科大臣による大学不認可問題がクローズアップされています。来春開校を予定して準備を進めていた3つの4年制大学が、この時期になって大臣の一存で不認可となり、開校できない事態となっているのです。
私は、田中大臣の主張と、今までの経緯をある程度調べましたが、「全体の方向性としては正しいが、今回の3つの大学の件は乱暴すぎて話にならないため、即認可すべき」という考えです。
田中大臣も言っていますが、少子化が進行しているにもかかわらず、大学の数が増えすぎました。30年前と比較すると、ほぼ倍増しているのです。結果、今春のデータでは、私立大学の46%が定員割れ、40%が赤字となっていて、大学の教育の質の低下や杜撰な経営が大きな問題となっています。群馬の創造学園大学が今年度いっぱいで解散となるニュースは、ご存じの方も多いと思います。経営的な問題によるものですが、学生が在籍している大学がなくなるのは初めてのことです。このまま行くと、今後私立大学はバタバタとつぶれてしまう可能性があるのです。需給バランスが崩れているのを放置した責任は国(文科省)にもあり、それを改善しようという方向性自体は間違っていないと私は思います。
さらに付け加えるとすれば、国立大学はもちろん、私立大学も補助金という形で我々が納めた税金が使われています。赤字の大学は、補助金によって何とか運営をしている状況なのです。大学の乱立が、今の国の財政難を助長していることも知っておく必要があるでしょう。
ただ、今回の3つの大学については、今まで数年間、文科省とその諮問機関の指導を受けながら準備を進めてきており、大臣のところで不認可になることはないという前提の元で(あとは形式上の手続きのみという状態で)申請を出しているので、「認可される前に建物や教授等の準備を進めるとはけしからん」という主張は成り立ちません。大臣は、その諮問機関の構成(大学関係者がほとんど)も気に入らないようですが、それはこれから先の話で検討するべきで、すでに動き出している大学を「ちゃぶ台返し」することは、大学側はもちろん、社会一般の感覚からも認められません。オープンキャンパスや推薦入試の準備が最終局面を迎えているようなので、受験生たちに影響を与えないよう、速やかに決断をして欲しいと切に思います。
(次回に続く…)
なぜ塾業界は早期離職者が多いのか?その2
- 2012年11月5日 12:29 PM
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3つ目の理由は(私はこれが一番顕著だと感じているのですが)、いわゆる「青い鳥症候群」や「モラトリアム」タイプの若者が多いことです。今の社会全体としてそういう傾向にあるのかもしれませんが、特にこの業界にはそういう若者の割合が高いと感じています。
皆さんは「チルチルミチル」のお話を知っているでしょうか? 貧しい兄妹が、見つけたら幸せになれるという青い鳥を求めて様々な国を冒険しますが、どこにも青い鳥は見つかりません。すっかり疲れ果てて家にもどったら、実は青い鳥は家にいたというお話です。「今、足元にある幸せには気付きにくい」という例え話に使われます。「隣の芝生は青く見える」という格言もありますね。もっとやりがいがあって、待遇も良くて(楽な)、自分に合った仕事があるに違いない。自分のやりたいことはこんなことじゃない。と常に考えながら仕事をしているように見えます。(自分で選んだ仕事なのに…) そんなわけで、若いうちに同じ業界・違う業界含めて、転職を繰り返す者も多いのです。私は、今目の前のことに一生懸命できない者は、どこに行ってもダメだと考えています。確かに自分に合う仕事、合わない仕事というのはあると思いますが、少なくとも(下積み生活も含めて)3年間頑張れないのであれば、どこに行っても、「この仕事は自分に合わない」と感じてしまうのではないでしょうか。
「モラトリアム」というのは、教育心理学の用語ですが、社会に出る前の「猶予期間」を指します。大学生に対して使われることが多く、自分探しをずっとしているために、社会に出ること、責任ある仕事をすることの踏ん切りがつかない状態を言います。この業界の若い連中を見ていると、正社員として就職したのにずっと「モラトリアム状態」を続けている者が多いことに気づきます。「すべて他人事」「誰かがやってくれるだろう」「自分の好きななことは一生懸命やるけど嫌なことはやらない」「言われたことはやりますけど…」「プレッシャーがかかる場面は極力避ける」「ごく限られた少人数の仲間としか打ち解けない」「でも1人で行動することは不安」というような特徴があります。それに加えて、ここ数年の特徴として、「出世したくない」「給料は上がらなくてもいいからのんびり仕事したい」「自分の休みが最優先」、そして「会社がどうしてもと言うなら辞める」という者の割合が増えているように感じています。おそらく、他の業界でも、おじさん世代は同じようなことを感じている方が多いのではないでしょうか。
誤解をされるといけないので明記しておきますが、新卒1~2年目から高い意識を持って仕事をしていて、塾の大事な戦力になっている者もたくさんいます。本当に子どもたちのことが好きで、苦労を厭わず面倒を見たり、自ら塾の(会社の)役に立てることを探して仕事に取り組んだりして、下手なベテランたちよりいい仕事をしている者も少なくありません。塾の教師は、若いというだけで(対生徒の面では)大きな武器ですから、私などは羨ましく感じる場面もあります。今回は、厚生労働省の発表したデータについて、あくまでも全体の傾向として分析したまでだということをご理解いただけると幸いです。
しかし、今後の塾業界のことを考えると、(特に大手塾は)若い力を戦力化できたところが生き残っていくことは間違いないと思います。私は現在、様々な塾の若い教師たちの研修にも携わっています。自分の経験を伝えることにより、この業界に少しでも恩返しができればいいなぁと考えています。塾教師の仕事の喜び・充実感・奥深さ等を伝えることにより、結果として、短期間で辞めてしまうような職員を少しでも減らせたら嬉しいですね。
なぜ塾業界は早期離職者が多いのか?
- 2012年11月4日 1:02 PM
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私たちの業界が、3年未満離職率No.1であることには多少ショックを受けましたが、冷静な目で見ると、やはり他の業界に較べるとそういう傾向にあることは、私の実感としても納得がいきます。その理由は3つ程あると私は考えています。
1つ目は、最初から「腰かけ」のつもりで就職する者が(他の業界と較べると)多いということです。学生の時にアルバイトで塾で働いていた者が、就職の際に、他にあてもないので「とりあえずそのまま」というケースが多いのです。塾側としても、まったく知らない学生を採用するよりも、自分のところで経験がある学生を採用した方が様々な意味で安心感があるわけです。仕事を1から教える必要がなく、力がある者は(教師としては)即戦力で働けるケースも多いと思います。
また、ゆくゆくは学校の先生になりたかったり、(今はだいぶ少なくなりましたが)司法試験等の資格試験合格を目指しているような者が、とりあえず生活のために塾で働きながら勉強してチャンスをうかがっているケースもあります。「とりあえず就職組」ですから、他のことで目処が立てば当然辞めてしまうわけですが、目処が立たなくても、仕事と勉強の両立が難しいことに気付き、早い段階で辞めてしまう場合もあります。
2つ目は、想像よりも仕事が大変だということです。時間帯の問題もあると思います。授業が終わるのは夜10時近くなるので、どうしても帰宅できるのは深夜になります。午後出勤の場合が多いとは言っても、会議や面談があったり、授業の準備等にも時間がかかるので、(特に経験の浅いうちは)早く出勤しないと仕事が回らないことも多いでしょう。時間が足りないため、授業の予習は家に持ち帰りになることも… 講習会の時は、どうしても朝から夜までの長時間勤務になります。1日8時間も授業があることはざらで、(予習・準備等も含めて)体力的にかなりハードです。
日曜日が出勤で平日が休みになる場合が多いこともあり、普通の会社に勤めている人とは時間が合わないでしょうから、なかなかデートの時間も取れません。(その前に出会いがないという噂も…) 若い連中にとっては大きな問題なのだと思います。
さらに、塾の仕事というのは授業だけではありません。学生でアルバイトとして働いていた時は、とりあえず授業をやって、生徒の面倒を見ていればよかったわけです。時給も他の仕事と較べると格段に高いですし、若くして「先生、先生」とチヤホヤされて、こんなにすばらしい仕事はないと思って、そのまま就職するケースも多いです。(25年前の私がそうでした…) しかし、社員として就職すると、保護者の対応も増え、生徒集め(営業)に使わなくてはならない時間も多くなり、合格実績輩出やクレーム対応等責任ある仕事も入ってきて、プレッシャーがかかることが格段に多くなるのです。ありていに言えば、もっと楽な仕事だと思っていたのに(だから塾の仕事を選んだのに)、「こんなはずじゃなかった…」と感じて辞めてしまう者が多いのです。私はその中でもかなりハードな仕事をこなしてきたという自負がありますが、それでも他の業界の仲間たちから聞く話からすると、まだまだ楽をしてきたのだなぁと感じています。しかし、若い連中にはそうは思えないようです。
3つ目は…
(次回に続く…)
せっかく就職できたのに…
- 2012年11月2日 11:08 AM
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皆さん、左の表を見てください。これは、高校・大学を出て新卒で就職した若者のうち、3年以内に退職した者の業種別割合です。就職難の厳しい状況については、この間かなり詳細にお伝えしてきましたが、せっかく就職しても3年持たずに辞めてしまう若者が多いのです。今春の最新のデータ(つまり2009年就職組)では、高卒で36%、大卒で29%が3年以内に退職しています。3人に1人が辞めてしまっているという信じ難い現状ですが、さらに驚くのは、その中で、起業や転職等、次の仕事が見つかってから辞めている者は半分に満たないということです。新卒ですら就職が厳しいわけですから、既卒はさらに厳しい状況なわけで、その若者たちは、今何をやっているのでしょうか?
さて、離職率のトップは何と!私たちの業界です。実に半分が3年以内に退職しています。これは、私の今までの肌感覚とほぼ一致します。塾業界では、1年ごとに2割ずつ辞めて行って、5年でほとんど残らないというのが定説になっています。
私も新卒でこの業界に入って(というより大学生の時から働いていました)、25年以上経ちましたが、業界では稀有な存在だと思います。とにかく、ずっと仕事が楽しかったし、生徒や保護者、そして周囲の上司や同僚・部下にとても恵まれたことも大きかったと思います。こんなに楽しいことをさせてもらっていて、給料をいただけて(今は払う立場ですが…(^_^;))、ご飯を食べられるなんて、なんて幸せなんだろうと今でも思っています。そういう意味では、今の若い連中は可哀想だなぁと思います。この仕事の醍醐味・本当の面白さが分かる前に辞めていってしまうのですから…
では、なぜ塾業界はこれだけ退職率が高いのでしょうか?
(次回に続く…)
集団討論の対策その3
- 2012年11月1日 1:46 PM
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集団討論を巡っては、都教委や現場の高校の先生方がまだこの時期になっても混乱をしているため、蓋を開けてみたら、「おいおい、なんじゃそれ?」という事態が起こることも十分に考えられます。私たちとしては、そこまで想定して生徒たちに指導しておかないとならないわけです。
まず、都教委が非公式(公に文書では発表していない)に言っていることを記してみます。
「受験生はあるテーマについて一人ずつ意見を述べ、その後、他の受験生の意見も踏まえて再び自分の考えを語る。ディベートのように意見を戦わせることはしない」
??? すでにここで私の頭は完全停止です。それって集団討論とは言わないのではないですか? ただのグループ面接です。試しに、いくつかの辞書で「討論」という言葉を引いてみました。どの辞書にも、「~意見を戦わせること」と明記されています。もし、上記の通りで進行するとしたら、面接官が答える順番を指定するのでしょうか? 単に意見を順番に2~3回ずつ言うだけなのでしょうか? (その場合、順番の不公平性も問題になってきます)
集団討論では、どこで発言するか、他の生徒の意見に対してどのタイミングでどういう突っ込みをするか、全体の意見をグループとしてまとめていく過程で誰がリーダーシップを取るのか、議論の中での協調性やコミュニケーション力を採点されるべきものです。
次は、現場の高校の先生の発言です。
「「成績は良いがおとなしい」 「人前で話すのが苦手」なタイプの受検生に優秀な生徒もいる。そのような生徒を見逃さないようにしたい」」
こうなってしまうと、大きな問題だと言わざるを得ません。うまくしゃべれなかった生徒に、良い点数をつけてしまうのでしょうか? 面接・集団討論の趣旨・採点基準を根底から否定してしまっているのです。都教委が意図している、「成績だけでない多様な側面での選抜」という狙いがきちんと伝わっていないように感じます。
私が感じているのは、都教委の決定があまりにも急で、もっと言えば都教委も集団討論の何たるかが分かっていない準備不足の状態で、現場にポンと下ろしてしまったために、混乱が生じているということです。昨年からの推薦入試改革のやり取りをほとんど見てきましたが、(あくまでも私の個人的な感想ですが)口のうるさい数名の教育委員を納得させるために、上辺の形式だけとりあえず整えたという感じがします。そうでなければ、この時期になっても、集団討論の実施マニュアルが現場の高校に下りていなかったり、各高校のホームページや説明会で最低限の情報すら出て来ないという状況はなかったはずです。
また、ここで石原都知事が急に辞められてしまったことも、とても残念です。この10年間、教育面、特に都立の改革については、それこそ陣頭指揮を取られてきたのを肌で感じていました。ワンマンだとか様々言われていますが、石原さんがいなかったら、都立中高がここまで復権することはなかったはずです。そういう意味では、次の都知事が誰になるのか、今までの都立改革を引き続き推進してくれるのかについて、とても関心を持っています。
以上、集団討論については、様々混乱しています。また新しい情報が入り次第、この場でお知らせします。我々としては、最終的にどんな形になっても、生徒たちが自分の力を出しきれるように指導を徹底していくしかありません。
ちなみに、例の杉並区の和田中では、「よのなか科」において継続的に集団討論を実施しています。校長先生は、「ようやく時代が我々に追いついてきた」みたいなことをおっしゃっていて、すごいなぁと思います。ちなみに、和田中で実施した集団討論のテーマを挙げると、「コンプガチャとAKB総選挙商法の違法性」 「猫ひろしがオリンピック出場のために国籍を変更したことについての是非」等、さすがに最先端を行っています。
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