- 2016年10月29日 2:07 PM
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ここのところ、奨学金に関する大きなニュースが続いていますが、昨日も、先日ご紹介した第一種(無利子)の貸与型奨学金について新たな動きがありました。
今までは、家庭年収が一定額を下回ることと、高校での評定平均が3.5以上であることが条件となっていました。しかし今後は、住民税非課税世帯については、成績要件を撤廃することが決定したのです。しかも、来年度(2017年度)から変更するという急な決定のため、すでに申請がスタートしているところに、追加申請を認めるという特例措置まで設けられました。12月15日までが申請の締め切りとのことなので、今の高校3年生等で該当する方は、お早めにご確認ください。
政府は、奨学金が必要な学生すべてに行き渡るような制度にしたいということを言っていて、このことを8月に閣議決定までしているのですが、すでに来年度に向けて動き出しているところでの急な変更には、何か違和感を感じます。おそらく現在検討が進んでいる「支給型奨学金」との整合性を取ろうと考えたのだと思います。
冷静に考えた時に、(先日このブログで書いた私のような特殊な事例を除いて)住民税非課税というような状況の家庭が、どれだけこの奨学金に申し込むのでしょうか? 支給型ならともかく、無利子とはいえ貸与型の奨学金を借りてまで、大学に行かせようと考えるのでしょうか? 再度確認しますが、高校の評定平均で3.5が取れていない生徒です。そういう意味では、あまり実効性がない改革だと感じています。選挙に向けての人気取りの匂いを感じてしまうのは、私だけではないばずです。
私が違和感を感じる理由は大きく2つあります。
1つは、大学生の数をこれ以上増やすことは、日本の将来を考えた時に、決してプラスにはならないと考えているからです。
はっきり言って、大学生の質は数十年前と較べると大きく低下しています。その理由は簡単で、大学の進学率が大幅に上昇しているからです。私が学生の頃は、大学進学率は25%程度でした。(中学校の先生が、大学に進むのはだいたい4人に1人だから…)と言っていたことを鮮明に覚えています。それが、今はほぼ50%です。高校3年生の半分が大学に進学しているのです。
結果、学生の質が落ちることは当然として、大学は出たものの正社員として就職ができない学生が増え、(少子化と19歳~22歳の就職率の低下のダブルバンチで)国全体の労働力が落ちたことが、今の経済状況につながっている側面があると思います。
私は最近、すべての子どもが大学に行くことが幸せにつながるとは限らないと考えています。勉強することが嫌いな子どもを無理矢理大学まで進ませることはナンセンスですし、昔に較べると、終身雇用・年功序列が崩れて来ていることもあり、早い段階で手に職を付けた方が、将来長い目で稼げる可能性が高い場合も多くなって来ています。
勘違いされると困るのですが、日本の学歴社会の構図はあまり変わっていません。ただし、現在学歴の恩恵は、いわゆる難関大学に進学し、大学進学後も目標を持って頑張っていた生徒のみに当てはまります。(どこまでを難関大学と言うかはなかなか難しいのですが、私が書くと波紋が大きいので、ここでは記しません) 以前は大卒というだけで評価された時代もありましたが、今はそうではなくなっています。企業の人事部の方に言わせると、いわゆるFランク大学(定員割れで全入ということです)で入学後も遊んでいたような学生は、高卒より不利になる場合があるということです。
これだけ世の中が変わって来ているのに、政府が音頭を取って、そんなに無理して大学に進学させようとする必要性があるのか?ということを考えてしまうのです。
(次回に続く…)
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