ホーム > アーカイブ > 2013年5月のアーカイブ

2013年5月のアーカイブ

奨学金は借りるな!<その1>

  • 投稿者: gs_staff
  • 2013年5月31日 11:33 AM
  • 未分類

昨日までのブログを読んだ方の中には、(特に大学に進学する際には)「奨学金を借りればいいんじゃないの?」と考えた方が多いかもしれません。将来子どもが働くようになってから少しずつ返してくれればいいと… ちょっと待ってください。私は個人的には、安易に奨学金を借りるべきではないという考えです。その理由をこれから説明します。

奨学金には大きく分けて2種類あります。返す必要がないのが「給付型」の奨学金です。成績が飛び抜けて良かったり、家庭の事情で特別に認められたりするケースです。一昔前はかなり枠がありましたが、今はほとんどありません。(今後、海外留学を考えている優秀な学生には給付型の奨学金の枠を増やすと政府が言っていますが、まだ具体化していません) ほとんどの学生が利用しているのが日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金ですが、この機構の奨学金には給付型はありません。
もう1つが、大学卒業後に返済する必要がある「貸与型」の奨学金です。これにも2種類あり、無利子のものと数%の利子がつくものがあります。無利子のものはやはり条件が厳しいものが多く、割合は貸与型全体の20%弱です。残りのほとんどが有利子のもので、この形なら余程のことがない限り借りられるため、現在は全国の大学生の1/3程度が何らかの形で奨学金を利用しています。
しかし、それにより、結構大変な状況が起こってきているのです。

簡単に言うと、奨学金を借りたものの、就職できなかったり、もともと計画に無理があったことにより、予定通りに返済できない学生が大量に出ているのです。2012年度は、全国で33万人、金額で言うと実に約900億円もの金額が滞納されています。何とか返済はしているものの、それに追われてしまって大変厳しい生活をしていたり、子どもが払えないので親が肩代わりをして、老後の資金をくいつぶしてしまっていたりと、悲惨な状況になっている家庭を含めると、かなりの割合になっているのではないかと想像します。
普通は300~400万円程度、多い学生になるといくつもの機構から合わせて1000万円以上も借りているケースもあります。月々の返済額はピンキリですが、2~3万円を10間くらいに渡って返していく場合が多いでしょうか? 中には月々10万円近い返済になっている場合もあるようです。普通に就職できればいいのですが、近年の就職難で仕事がなかったり、あったとしても非正規やアルバイト・フリーターでしか働けないために、予定した返済ができないケースが増えているのです。
(次回に続く…)

子どもの教育費はトータルで考えるべき<その2>

  • 投稿者: gs_staff
  • 2013年5月30日 11:04 AM
  • 未分類

昨日から、子どもの教育費はトータルで考えるべきという主張をしているわけですが、私が本当にお伝えしたいのは、都立(公立)に行くのか私立に行くのかというような次元の話ではありません。子どもたちの将来を長い目で見て、今何が必要なのかという視点で費用をかけるべきだということです。

皆さんは、親が死ぬ時に子どもに残せるもので、一番重要な財産(もの)って何だと思いますか? お金でしょうか? 私は個人的にはお金は(最低限のもの以外)残さない方がいいくらいに思っています。いい暮らしをしたければ、自分で稼ぐ。これが資本主義社会の原則だと思います。今まで数十年に渡って日本の経済が停滞しているのは、高齢者の方が財産を子どもに残すために、あまり使わずに貯め込んでいることも要因の1つになっているのではないでしょうか。
優しさや思いやり、社交性、そして逆境に負けない強さ等、人間性の部分も親が子どもに残してあげられることの1つだと思います。 世の中を生きていく上で、当然これもあった方がいいに決まっています。
お金を稼げるようにしてあげること、人間性を鍛えること、これらは結局ある1つのところに行きつくと思います。それは、子どもに対して、どれだけ的確に、時期に応じた「教育」を受けさせてあげられるかということです。私は、親の最大の使命は、子どもにきちんとした教育を施し、それを子どもたちの中に財産として残してあげることだと考えています。それさえタイミングを間違えずにきちんとしてあげられれば、親無き後も、子どもたちは立派に成長していけるのではないでしょうか?

では、「教育」とは何を指すのか? まずは、家庭での教育が一番重要だと思います。人に対する優しさや粘り強さ等、生きていく上で最も重要な資質と、挨拶をするとか自分のことは自分でするとかの基本動作の習慣は、小学校入学前にほぼ出来上がってしまうというのが教育界の通説です。読み書きや計算の基本部分も、家庭できちんと習慣づけをした子どもとそうでない子どもは、差がついているでしょう。具体的には、親が本を読むのが好きな家庭の子どもは、放っておいても読書の習慣がつくというようなレベルの話だと思います。
ところが最近の若いお母さんたちの中には、幼稚園の先生に「うちの子はまだ挨拶ができないんですよ! どんな指導しているんですか?」とクレームをつけたり、小学校入学段階で勉強についていけないと学校の先生の責任を追求したりというようなケースが増えているそうです。そのあたりの人としての基本動作や、勉強の習慣の部分は、まず親の責任であると考えて取り組まないと、子どもが可哀想な思いをしてしまうケースが多いのです。

小学校(特に低学年)の担任の先生の当たりはずれは、正直大きいと思います。学級崩壊が起きていたり、漢字・計算等の基礎学力をつけるのが下手な先生にあたると、よほど親が気をつけていないと、あっという間に落ちこぼれてしまいます。この時期に一度ついていけなくなってしまうと、挽回するのに相当労力を要します。私は、この時期に珠算や公文式等の基礎反復学習をさせることはとても有効だと考えています。勉強の習慣と解くスピードは確実につきます。(確実性と考える力は指導者の力量によって差がつきます)

1つの節目は小学校4年生です。中学受験をするのかしないのか、という大きな選択があります。受験をするのであれば、塾選びがとても重要です。子どもによって合う合わないもあるので、ネームバリューや評判だけで選ばすに、実際に体験授業を受けたり、責任者とじっくり話をしたりして、慎重に選ぶ必要があります。中学受験に向けてスタートをうまく切れるかどうかは、塾選びの成否でほぼ決まってしまうと思います。いかに我が子に合っていて、成果につながる塾を選ぶかがポイントです。
それは中学生や高校生になっても同じことです。ある程度自分で塾を選ぶことができるようになってきますが、単に仲の良い友だちが行っているからとか、楽しく授業が受けられるからとか、そんな理由だけで決めていないかどうかを保護者が確認する必要があるでしょう。
塾でそれなりの指導を受けるためには、ある程度の支出は覚悟しなくてはなりません。しかし、無駄な費用を払う必要はまったくありません。保護者の方は、常に「費用対効果」を考えながら、決断をしていくようにしてください。一般的には、入塾後に様々理由をつけて「オプション授業」を取らせる塾、素人同然の教室長が運営していて、(力がつくつかない以前に)困った時に頼りにならないような塾は、費用対効果が低くなります。そういう意味では、大手塾はもう限界に来ていると思います。一部の有能な講師が継続的に担当してくれるのであればいのですが、残念ながらそういう講師と出会える確率は、非常に低くなってきています。

学校選びについても同様です。特に私立に行かせる場合は、この費用を払うだけの価値がその学校にあるかどうかを真剣に考えてから決断してください。本当に我が子にとって、それが良い選択だと思うのであれば、多少無理してでも費用を工面する必要があると思います。極論ですが、私はそれこそが「究極の親の役目」なのではないかと考えている次第です。

子どもの教育費はトータルで考えるべき<その1>

  • 投稿者: gs_staff
  • 2013年5月29日 10:24 AM
  • 未分類

「うちはお金がないので、都立にしか行かせられないんです」
今までに、何度も保護者の方から聞かされたことがあるフレーズです。しかし、生徒の学力の状況と将来の方向性(志望)によっては、この命題が必ず真だとは限らないのが、進学の難しいところなのです。

大学受験でそれなりのレベルのところを目指すとなると、どんなに優秀な生徒であっても(いや優秀であればあるほど)塾や予備校なしでの受験は難しいと思います。塾・予備校の選び方や、科目の取り方にもよりますが、だいたい月に2~3万円、講習会も入れると年間に50万円は下らないでしょう。万一、浪人でもしようものなら、年間100万円近くが確実に出ていきます。
一方、付属高校に進めば、まず塾通いの必要はありませんし、(普通に頑張っていければ)現役での大学進学が約束されているわけです。3年間(あるいは4年間)トータルで見たら、「結局、私立に行かせた方が安くついたのに…」という事例は(私の周りだけでも)山のようにあります。

高校を選ぶ段階で、保護者の方がここまで考えられているケースはとても少ないのが実状です。もちろん、どうしても国立大学で行きたい大学があるとか、積極的な理由で都立(公立)高校に行きたいという場合はあまり問題がないわけです。早慶やMARCHレベルの大学に行きたい生徒で、本当は付属高校に行きたいのに、目先の費用を惜しんで仕方なく都立(公立)に行く(行かせる)というようなケースは、往々にしてそういうことになってしまうことが多いということです。
我々も、中3の段階で、大学受験に向かないと感じる生徒(英語がからっきしダメな生徒、自分で計画立てて受験勉強をできない生徒、要領が悪い生徒など…)については、ハッキリとそういう伝え方をすることもあります。「そういうことであれば、付属高校を検討した方がいいと思う」と。「家計的にちょっと…」とおっしゃる方も、前述のような話をさせていただき、大学受験では厳しいと予測される理由を明確にお伝えすると、だいたいご納得いただけるケースが多いです。

ただ、私が一番お伝えしたいことは、そういうことではありません。
(次回に続く…)

子どもと家計の話をきちんとしよう!

  • 投稿者: gs_staff
  • 2013年5月28日 11:11 AM
  • 未分類

公立高校の授業料無料制度に所得の条件がついたり、幼児教育の無償化や海外留学生への支給型奨学金が検討されていること等により、国の教育財政・税金の使い道についての議論が活発になっています。(このブログでも今まで様々取り上げてきました)
しかしその前に、家庭としての教育財政(政治ではないですが…)の方針をしっかりと考えておく必要があるのではないでしょうか?
私が長いこと塾の教師をやっていて一番感じるのは、保護者は早いうちから子どもの将来を見越した教育計画を立てるべきだし、もっと子どもと家計・お金に関する話をきちんとするべきだということです。

具体的には、子どもが小学校3年生の時(遅くとも4年生になる前)には、中学受験をするかどうかを決めなくてはなりませんし、それに向けて、塾の費用や私立に通わせるための費用が切迫するのであれば、もっと早い時期から貯蓄をしておくなり、学資保険等を検討するべきでしょう。子育てをされてきた方はよくお分かりだと思いますが、子どもが小さいうちでないと、なかなか教育資金は貯められないのです。
一番最悪だと感じるのは、子どもが中3になって高校受験の受験校を決める段階になって初めて、「うちはお金がないので都立(公立)しか行かせられないの」と言うようなケースです。中には、子どもが早い段階から私立の附属高校等を目指して頑張っていたのに、受験直前にその事実を突き付けられて、すっかりやる気がなくなってしまったようなケースもありました。もし本当にそうであるならば、少なくとも子どもが中学校に入る段階ではきちんと伝えておくべきでしょうし、普段から折に触れて、家計の状況についてきちんと話をしておく必要があると思います。どうも日本の家庭は、子どもとお金の話をするのがタブーのような風潮があります。
ここ数年(数十年)の経済状況により、父親が会社で急にリストラされたり、自営がまったくうまく行かなくなったりと、私も今までに様々な家庭の状況を見てきました。そうなると、計画していたことが崩れてしまい、子どもの教育費をどうしても削らなくてはならない場合も出てくるでしょう。そんな時こそ、子どもに隠さないで、きちんと話をするべきだと思うのです。子どもなりに、そのあたりのことは理解できますし、両親が真剣に自分のことを考えてくれていることが伝われば、少なくともそのことが理由で道をはずすようなことはありません。むしろ、自分に隠していたことに対して不信感を持つ子どもの方が多いのです。

以上のような状況をきちんと踏まえた上での話になりますが、どうも最近の保護者の皆さんは、費用面において目の前のことだけに目が行きすぎているように感じます。
(次回に続く…)

都立高校入試 科目ごとの平均点

  • 投稿者: gs_staff
  • 2013年5月27日 5:07 PM
  • 未分類

今春の都立高校入試における、科目ごとの平均点や設問別の正答率が公表されています。学校ごとの自校作成問題は来年から廃止されるので、共通問題についてのみ結果を掲載しておきます。

~科目ごとの平均点~
国語…61点(昨年70点)
数学…55点(昨年57点)
英語…62点(昨年58点)
理科…60点(昨年51点)
社会…52点(昨年58点)

都立高校の入試問題は、全都の平均点が60点くらいになるように作成しています。そのくらいのレベルの問題の得点分布が、一番正規分布に近づくからです。
それからすると、数学と社会は少し「失敗」しているわけです。数学は、問題を見る限り生徒の得点力の方に問題を感じますが… 計算や一行問題での失点もありますが、関数や図形でも少し難しくなると手が出なくなってしまう生徒が増えています。
社会は急に難しくしすぎました。公民の時事問題や記述問題が増えたことも要因です。その割には、平均点がよくこの程度でおさまったと思います。私は50点を切っているのではないかと想像していました。

来年度以降の出題方針もほぼ見えてきました。簡単に言うと、問題の難度をあまり下げないという意図が見て取れます。今年の社会の問題で顕著だった、資料に基づいて自分の意見を書いたりする記述式の問題は、今後も出題していく方針です。

都立高校の入試日程

  • 投稿者: gs_staff
  • 2013年5月26日 2:19 PM
  • 未分類

来春の都立高校の入試日程が発表になりました。

〇推薦入試
1月26日・27日の2日間です。今までより1日前倒しとなります。26日は日曜日なのですが、大学受験直前の時期に、高校の本来の授業日を1日でもつぶしたくないということなのだそうです。都立高校がこういう発想をするのです。私立や民間の皆さん、うかうかしていると負けちゃいますよ。
今年の入試から、集団討論や小論文が全員に課されるようになり、様々波紋が起こりましたが、来年度もほぼ同じ形で行われることが事実上公表されました。

〇一般入試
今までしばらく23日でしたが、来春は24日に変更となりました。23日は日曜日なのですが、何と東京マラソンとぶつかってしまったのです。
1ヵ月に渡って、どうするかで揉めていました。同日実施でも構わないのではないかとか、東京マラソンの日程を動かすべきだとか… やり取りを見ていて、ちょっと滑稽でした。マラソンは日曜日以外難しいでしょうし、あれだけの規模になると、交通規制等で人の動きが様々制約され、先生方も含めて都の職員も借り出されるようですし、騒音等でリスニングに影響もあるでしょう。当然の結論です。

いじめ対策はこれでいいのか?<その2>

  • 投稿者: gs_staff
  • 2013年5月25日 10:33 AM
  • 未分類

いじめについて、学校がするべき対応は大きく分けて2つあります。
1つは、昨日も書いた「いじめ抑止」の視点での活動です。まだまだ行政や学校現場でできることはたくさんあると思いますが(お願いだから「心のノート」を全生徒に配付して対策を徹底したなどと言わないで!)、残念ながらいじめを0にすることはできません。「いじめ撲滅!」を掲げて、皆で力を合わせて取り組むことは大事なことだと思いますが、大人の世界で犯罪をなくすことができないのと同じで、子どもの世界でも(いや子どもだからこそ)いじめはなくならないのです。
そこで、2つ目の重要な対応があります。それは、いじめが発覚した(あるいは疑われる)後の対応です。最近問題が大きくなっているケースは、間違いなくこの部分の対応で失敗しています。
私が今まで見聞きした中では、以下に掲載する長野県のある中学校の「マニュアル」が一番説得力があります。こういうことがなかなか共有されないのが学校現場の特徴なのですが、うまくいっていない学校はぜひ参考にしてもらいたいと思います。

~いじめ判明後の手順~(※は後藤が加筆)
①いじめの認知は、本人・親・友人の誰からの報告であっても「この事態を心配している人から報告があった」で統一する。
※いじめの加害生徒や親は、「誰がチクったの?」という犯人捜しをする傾向にあります。
②必ず、一人の教員ではなくチームで対応する。
※ここが最大のポイントかも…
③複数の加害者(たいていそうです)と複数の教員が別部屋で1対1で対応する。
※こうすることにより、加害生徒たちの証言に矛盾が生じるのです。
④15分後に部屋に加害者を残して教員が集合し、情報交換・矛盾点の分析を行う。
⑤ ③④を繰り返し行うことで、加害者に「いじめの事実」を認定させる。
※ここでシラを切る生徒がいても、腰を引かないことが大切です。
⑥事実を認めた加害者に対し「泣くまで」反省を迫る。
※ここで教師の力量が問われるでしょうね。高圧的に脅かすだけでは、なかなかうまくいかないと思います。今まで頑張ってきたことを認めてあげた上で(部活の写真等のツールを用意しておいたり…)、「なのにお前は、今、何をやってるんだ!?」みたいな感じで迫るとうまくいくことが多いそうです。
⑦いじめの事実を認めて「泣くまで」反省した加害者は、通常は被害者に謝りたくなるのですが、すぐに謝らせることはしない。
※すぐに謝らせると加害者が楽になるからだそうです。この発想はすごいですよね。
⑧少なくとも一週間の時間を置いて、加害者に謝ることを許す。
※ここまで教師が本気で対応すると、加害生徒は観念し、被害生徒も納得することが多いそうです。
⑨被害生徒・加害生徒双方の保護者を交えて、いじめの事実を報告する。
※ここまで万全の対応をすれば、加害者の親も観念するしかなさそうです。少なくとも、「うちの子にかぎって…」とは言わないでしょう。

なかなかのマニュアルだと思います。警察の取り調べのテクニックを応用していることは間違いなさそうです。警察関係者が作ったのではないかと感じるくらいです。(特に加害生徒を「落とす」部分とか…)
いずれにしても、教師が(チームで)「いじめは絶対に許さない!」という姿勢を示して、隙がない対応をすれば、大きな問題になる前に収束・解決できるということだと思います。こういう対応をしている学校では、そもそもいじめ(特に悪質なもの)は少ないのではないかと思います。

いじめ対策はこれでいいのか?<その1>

  • 投稿者: gs_staff
  • 2013年5月24日 10:22 AM
  • 未分類

昨年の大津市のいじめ自殺事件以降、全国的に(国・自治体・学校・地域等)いじめ撲滅に対する意識は高くなっていて、実際に悪質ないじめは減ってきているのではないかと思います。統計的ないじめ件数は増えている地域が多いのですが、これは隠蔽をしなくなった(できなくなった)から報告・認知される件数が増えているということです。

もちろん、現場の学校の先生方や、保護者・地域の取り組みが効を奏してきたこともあると思いますが、世論として「いじめは絶対に許してははならない」という空気が出来上がってきたことも大きいと思います。
また、悪質ないじめが発覚した際には、躊躇せず警察に生徒を差し出す学校が増えていることも抑止力になっていると思います。それはそれで、私も有効な手段だと思いますが、最近の文科省の発信を見ていると、「正直ちょっとどうなの?」と感じる部分もあります。

最近文科省が発表したのは、「早期に警察に相談・通報すべきいじめ事案の具体例」で、ご丁寧に刑法犯としての罪名まで明記しています。参考までに、以下に転載します。

〇腹を殴ったり蹴ったりする→暴行罪
〇プロレスごっこで押さえつけたり投げたりする→暴行罪
〇顔を殴ってあごの骨を折るけがをさせる→傷害罪
〇断れば危害を加えると脅し(自分で)汚物を口に入れさせる→強要罪
〇断れば危害を加えると脅し性器を触る→強制わいせつ罪
〇現金などを巻き上げる→恐喝罪
〇教科書など所持品を盗む→窃盗罪
〇自転車等を故意に破損する→器物損壊罪
〇学校に来たら危害を加えると脅す(メール等も含む)→脅迫罪
〇校内やネット上などに実名を挙げて悪口を書く→名誉毀損罪・侮辱罪
〇携帯電話で性器の写真を撮影し、ネット上のサイト等に掲載する→児童ポルノ提供罪

いかがでしょうか? これらについて、現場の教師たちが理解することはもちろん、生徒・保護者にも周知させるという意図のものです。
確かに、これにより悪質ないじめの抑止効果は得られるのだと思いますが、このことは学校での指導の本質ではありません。なぜ、いじめがいけないのかを子どもたちに考えさせること、いじめられることの痛みを理解して、仲間に対する思いやりの心や、悪いことをみんなで止めさせる勇気等を醸成していくこと等が重要なのですが、そちらについて抜本的な対策は少なくとも私が探した限りでは目にすることができません。(学校現場には降りているのかもしれませんが…)

また、都道府県や市町村単位でもホームページ等で呼びかけているケースも多いのですが、「いじめホットライン」等の名称で、「いじめで苦しんでいる生徒はこちらに電話ください。親身になって話を聞きます」というような告知をしている場合もあります。しかし、これも残念ながらあまり大きな成果にはつながらないはずです。いじめられていて、自殺も考えてしまうようなレベルの生徒は、身近な親や先生にすら相談できないケースが多いのです。第三者機関に電話をして相談するとはとても思えません。
(次回に続く…)

相変わらず続いている就職率の嘘

  • 投稿者: gs_staff
  • 2013年5月23日 12:03 PM
  • 未分類

昨日から、早くも大学3年生の就活支援がスタートしました。まだ就活全体のイントロダクション的な内容ですが、意識が高い学生はもう本格的に動き出しています。1年後の内定獲得に向けて、粛々と準備を進めていきます。

今年も、文科省と厚労省から大学卒業生の就職率が発表となりました。4年制大学の卒業生の就職率は93.9%だそうです。昨年より少し改善したということも含めて、新聞やテレビのニュースで大々的に報道していたので、ご覧になった方も多いと思います。

この就職率がまったく意味のない数字であることは、以前にこのブログでも書きましたが、まだあまり浸透していないようなので、再度ご説明します。
まず、調査をした母集団が非常に少なく、しかも対象に偏りがあることが挙げられます。4年制の大学で言えば、わずかに62校・約4000人程度のデータなのです。全国の大学4年生がだいたい56万人なので、わずか1%にも満たない数です。しかも、国公立大学(比較的就職率が高い)がそのうち24校を占めていて、いわゆるFランク大学が調査対象にほとんど入っていません。これだけ見ても、全体の状況を表していないこと、国が数字を実際よりよく見せようとしていることが明らかに見て取れます。

さらに問題が大きいのは、就職率を計算する際の分母の数を大幅にごまかしている大学が多いということです。もちろん、国もこのごまかしを是として調査を行っています。
このあたりのことが最近指摘されるケースが多くなったせいか、今回の調査報告では、次の一文が参考として小さく掲載されています。

※「大学の卒業生に占める就職者の割合は66.0%である」

いかがでしょうか? 皆さん納得できたでしょうか? この66%というのが今春の正しい(実態に近い)就職率なのです。つまり、「4年制の大学を卒業しても、3人に1人は就職していない(できない)」ということです。
つまり、就職できなかった学生を、もともと就職を希望していなかったということにして(ごまかして)分母からはずし、大学の就職率を実態よりかなり高く見せようとしていることが、当たり前に行われているのです。

では、残りの1/3の学生はどうしているの?ということになりますが、文科省・厚労省は、ご丁寧にそれも説明しています。残りは、「進学希望者」「自営業」「家事手伝い」だというのです。今年のここの人数内訳はまだ発表になっていませんが、昨年の分はだいたいつかめています。
大学院等への進学については、準備中の学生も含めて、全体の14%程度しかいません。ということは、残りの20%(5人に1人!)が「自営業」と「家事手伝い」だというのでしょうか? そんなバカなことあるわけがありません。
これも昨年のデータですが、「アルバイト・フリーター」が3.5%、「就職浪人」が9%、「何もしていない」が6%です。就職活動も進学準備もアルバイトも何もしていないって、どういう人たちなのでしょうか? 尚、最初に出した就職率66%の中には、派遣社員等、非正規雇用も含まれていることを追記しておきます。

毎年のように、就職率の嘘がまかり通っていること、それを鵜呑みにしてしまっている国民が多いことに、大変苛立ちと危機感を感じています。この事実を子どもが小中学生のうちから保護者がきちんとつかんでいれば、もう少し子どもへの接し方、鍛え方、教育の受けさせ方等が変わってくるのではないかと思います。私も、こういうブログや講演会等で発信するようにしていますが、小さな波紋でしかありません。

大学の立場からすると、就職率の良し悪しによって受験生の数や入学してくる学生のレベルが変わるので、そこまでして就職率を粉飾したくなる(というか他の大学がみんなそうしているので自分のとこもせざるを得ない)状況は理解できます。(だからいいという話ではありません)
国の対応も同様です。就職率は景気と連動しているので、少しでもよく見せたいわけです。特に今はアベノミクスの成果という視点で(参議院選を前にして)、前年より多少なりともよくなっているという数字を出す(作る)しかありません。未内定者への国の支援施策の部分も含めて、文面からそれが痛いほど伝わってきます。

日本人はなぜ英語ができるようにならないのか?

  • 投稿者: gs_staff
  • 2013年5月22日 11:23 AM
  • 未分類

小学校で英語を正式科目として学習するようになっても、中学入試の科目に英語が入ってきても、残念ながら今のままでは日本人は英語ができるようにはなりません。ましてや、その施策によって、政府が意図しているような、世界をまたにかけてグローバルに活躍できる人材がたくさん輩出されるような事態には決してならないでしょう。それは、日本の英語教育が根本からズレてしまっているからです。

そんな偉そうなことを言っている私は、まったく英語ができません。25年以上もこの仕事をしていますが、英語だけは指導できるのは、中1・中2レベルまでです。高校入試の難関校レベルとなると、逆に生徒に教えてもらうことの方が多いかもしれません。もちろん日常レベルの会話もまったくできません。海外に行った時は、身振り・手振りと気合いで、何とか通じちゃいましたが…
昔を思い出すと、自分の高校受験の時はそれなりにできた(と言っても業者テストのレベルで偏差値60程度)と思いますが、高校で附属高校に入ったらもういけません。テスト前はひたすら英文と訳を丸暗記のみ。大学入学後は書店でアルバイトをしていたこともあり、訳本探しの天才と言われ… そんな程度の勉強でも、成績はそれなりに取れてしまったのです。(大学ではほとんどAをもらったような気がします) それから30年近くが立ち、英語をほとんど使う機会がなかったこともありますが、何も頭に残っていないし、少なくとも人生の中で英語の学習が役に立ったことは一度もありません。
私が感じるのは、日本の英語教育は、理屈をこねすぎ、そして英語に接する絶対量が少なすぎだということです。英語圏では3~4歳の子どもが当たり前に英語をしゃべりますが、当然文法的な理屈など何も分かっていません。日常会話の中で、言葉を覚えていくわけです。
大人になっても、海外に一定期間住んだり、外人と一緒に仕事をしたりすれば、必要に迫られて話せるようになるケースが多いですし、今はやりのスピードラーニングや、一昔前で言うとFEN(ラジオです)で、毎日英語をシャワーのように浴びていたらいつの間にかしゃべれるようになっていたという話は、決して誇張ではないと思います。

今の受験英語は、政府が意図している英語とはまったく違う科目です。This is a penという英語の文を英語圏の人がしゃべるところは聞いたことがありません。be動詞という概念が通じない地域もあるという話を聞いたことがあります。
ある外人タレント(日本語ペラペラ)が、次のような趣旨のことを言っていたのを聞いて、なるほどと思いました。
「日本語で言えば、助詞の使いわけや、1本・2本・3本の読み方等、理屈で説明しろと言われたら日本人だって困ることを、いちいち理屈から(しかも下手くそに)説明されてしまい、しかも1年もあれば終わる内容を、ダラダラ10年以上ももかけて教えられたら、誰だって日本語ができなくなってしまうでしょ?」

英語の早期教育自体はいいと思います。中には、「日本語がまともにできないうちに英語を学習しても意味がない」ということを主張する人もいます。(偉い学者さんでも) 私は、その考え方が出てくること自体が、日本の英語教育が間違っていることの証左だと感じます。日本語と対応させて英語を学習しようとするから、日本人は英語ができるようにならないのではないでしょうか?
教育再生会議の皆様には、そこまで踏み込んだ議論を期待します。日本の「受験英語教育」を完全にぶっつぶすぐらいの大改革をして欲しいものです。(塾の教師の発言ではないかな…)

ホーム > アーカイブ > 2013年5月のアーカイブ

検索
フィード
メタ情報

ページの上部に戻る